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情報|東大寺開山 良弁僧正 千二百五十年御遠忌法要 2023年秋[奈良]

情報-寺社・ご開帳・イベント

良弁僧正のこと

良弁僧正(ろうべんそうじょう)は奈良時代の僧で、東大寺の初代別当(組織の長官、住職)を務め、行基らと供に東大寺の創建に深く関わり東大寺の開山とされています。 近江国や相模国出身という説がありますが詳しいことははっきりしないようで、仏門に入ってからは義淵の弟子となり、東大寺の前身である金鐘寺で華厳経の講説を行ったのだそうです。

歌舞伎や文楽を観る方にはお馴染み「良弁杉由来(ろうべんすぎのゆらい)」では、幼いころに鷲にさらわれ杉の木にひっかかっていたのを助けられ僧になり、後に母と感動の再開をするのですが、その杉の木が二月堂前にある(何代目かの)杉の木です。

東大寺二月堂と良弁杉

東大寺開山 良弁僧正 千二百五十年御遠忌

良弁僧正が宝亀4年(774年)に85歳の生涯を終えてから、今年は数え年で1,250年の遠忌にあたり、東大寺では大仏殿での法要をはじめ、様々なイベントが企画されています。 開山に関する行事なので、創建された頃の東大寺を思わせるような企画もあり興味深いです。 正倉院宝物や東大寺の国宝には、大仏開眼供養に使われた仏具や伎楽の装束などがありますが、14~16日に大仏殿で行われる法要では、そういった物も再現にされるでしょうか。 また、普段は法華堂の向かいにある開山堂(12/16以外は非公開)に安置されている良弁像を、法華堂内にある僧侶が議論をする時に座る台「論議台」に安置するというのも、当時を偲ばせる企画ですよね。

御遠忌 法要

国宝『東大寺 大仏殿』での法要

10/14(土)10時(天皇殿出発9:30)
「顕無辺仏土功徳経講讃舞楽法要」

10/15(日)10時(天皇殿出発9:30)
「良弁僧正御遺徳奉賛伎楽法要」

10/16(月)10時(天皇殿出発9:30)
「華厳経講讃舞楽法要」

東大寺大仏殿

法要は10/14~16の3日間行われ、読経や散華などの仏教儀式の他に、舞楽や伎楽、献茶や献花などもあり、大仏開眼の法要が思われるような内容です。 舞楽と並んで「道楽」と書いてあり、ん?身を持ち崩すの?!と思ったら、「みちがく」という雅楽の演奏形式の一種で、歩きながら演奏するもののようです。 14と16は舞楽と道楽、15は伎楽だそうで、正倉院宝物の伎楽面や衣装を再現したものが見られるんでしょうか、すごく楽しそうです。

いずれの法要も行列の出発が天皇殿となっており、もし出発地も公開されるようであれば、天皇殿の手前に通常非公開の国宝『本坊経庫』がありますので、こちらも見ものです。

前日の10/13(金)17時~は「蜂起之儀」という法要の無事を祈願する儀式があり、大湯屋を出発した僧たちが境内をめぐり、祈願文を読み上げたりするそうで、お近くの方や泊りで行かれる方はこれも見逃せないですね。

大仏殿や前庭では他にも、10/7・8にはMISIAのコンサート、10/10や14にはオーケストラ、10/16には野村万作・萬斎による東大寺狂言など、様々なイベントが開かれますが、チケットは事前抽選のものもあったようなので、ふらっと出かけても参加は難しいのかもしれません。

秘仏 国宝 特別開扉

国宝『四天王立像』戒壇堂での拝観を再開

10/1~戒壇堂での公開が再開

奈良時代の寺院には仏教を守護するために四天王が安置されていることが多く、戒壇堂の四天王は奈良時代に作られた塑像という粘土製の像です。 苦みばしった渋い系のイケメン仏で、特に広目天はポスターや雑誌にもよく登場します。

安置されていた戒壇堂が、2020年の7月から3年ほど耐震工事をしていたので、その間は東大寺ミュージアムで公開されていました。 戒壇堂では薄暗い自然光の中で素朴な印象を受けましたが、ミュージアムではおしゃれライトアップのせいか、モダンな雰囲気を感じたものです。 以前は戒壇のやや上の段まで上がって目線の高さで拝観できましたが、再開後はどうなるでしょうか。

国宝『執金剛神立像』特別開扉[東大寺法華堂]

開扉:10/1~10/16

良弁僧正の忌日12/16だけご開帳される秘仏で、法華堂の国宝本尊『不空羂索観音立像』の背後の厨子に安置されています。 奈良時代に作られた塑像(粘土の像)で、制作には良弁が関わったようです。

今回は、東京芸大のプロジェクトチームが当時の姿を再現した模刻像(右写真)も特別に一緒に公開されるそうです。 模刻は衣の模様や浮き出る血管なども再現されていて、大柄な男性くらいある像は迫力満点です。

12/16の開山忌は春日大社の若宮御祭りとも重なって人が多いので、ゆっくり拝観できる貴重な機会です。

東京芸術大学による再現模刻(東京芸術大学美術館で撮影)

国宝『良弁僧正坐像』を国宝『法華堂(三月堂)』の論議台に安置

安置:10/28~11/19

三月堂の通称でもおなじみの法華堂は、東大寺でも貴重な奈良時代の建築で、東大寺の前身である金鐘寺の頃からの建物です。 三月堂の向かいに四月堂と並んで国宝『開山堂』があり、この開山堂の中に国宝『良弁僧正坐像』が安置されてますが、12/16の開山忌以外は門から中に入ることができません。 今回はこの秘仏がご開帳されるだけでなく、所縁の法華堂内に安置されるというのです。

古代寺院の修業や学びの場である「講堂」には、左右に1つずつ向かい合わせに置いて、議論や試験を行う「論議台」があります。 法華堂にもこの論議台があって、3週間ほどの間は良弁僧正がこちらに座られるのだそうです。 以前、ご開帳で拝観した良弁像は、ちょうど等身大ほどで写実的に作られていましたので、堂内では本物のように見えるかもしれません。

東大寺ミュージアム「良弁僧正と東大寺」

東大寺南大門をくぐって右手にあるモダンな建物が東大寺ミュージアムです。 東大寺は国宝仏も堂宇に安置されているものが多いですが、一部の仏像はミュージアムで公開されています。 大きな仏像や、おそらく保存のための機能も備わった展示ケースに入っている鎮壇具等、常設展示で開館時にはいつでも観られる展示と、数か月ごとに変わる特別展示があります。 

今回はもちろん良弁僧正が主役で、あまり公開されることのない国宝『弥勒仏座像』通称:試みの大仏が公開されます。 名前の通り、大仏を建立する時に良弁自らが試作として作ったという伝承がありますが、現代の研究では平安時代に作られたというのが通説になっているようです。

他にも、いつも展示されるわけではない国宝『誕生釈迦仏立像・ 灌仏盤』も公開されます。 お釈迦様の誕生日を祝う花祭りでは、天地を指差した幼いお釈迦様の像に甘茶をかけますが、あの像と受け皿のセットです。 もちろん国宝になってるのには理由があり、大仏開眼供養のためにつくられたと考えられているんです。 やんわりしたお顔のかわいらしいお釈迦様です。

10/1~12/21
国宝『弥勒仏座像(試みの大仏)』

展示される期間が多い
国宝『誕生釈迦仏立像・ 灌仏盤

原則としていつも公開されている
国宝『日光菩薩・月光菩薩立像
国宝『東大寺金堂鎮壇具
国宝『金銅八角燈籠

この期間に拝観可能な東大寺の国宝

※リンク先に地図があります

ご開帳(10/5)

国宝『僧形八幡神坐像(快慶作)』[八幡殿]
国宝『転害門』での「転害会」終了後の10時頃~16時のみ公開
重文「五劫思惟阿弥陀如来坐像」[勧進所阿弥陀堂]と重文「公慶上人坐像」[公慶堂]も公開されます。

無料で観られます

国宝『南大門』と『金剛力士立像
国宝『二月堂
国宝『転害門
国宝『梵鐘』と『鐘楼

国宝『金堂(大仏殿)』※内部拝観は有料
国宝『法華堂(三月堂)』※内部拝観は有料

有料(各¥600)で観られます

国宝『盧舎那仏坐像(奈良の大仏)』[大仏殿]
国宝『金銅八角燈籠』[大仏殿前]

国宝『四天王立像』[戒壇堂]

国宝『不空羂索観音立像』[法華堂]
国宝『梵天・帝釈天立像』[法華堂]
国宝『四天王立像』[法華堂]
国宝『金剛力士立像』[法華堂]

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