国宝『吉祥天像』
奈良時代に描かれた吉祥天の画像で、奈良時代の上流夫人の姿をしており、光明皇后をモデルにしたものだといわれている。 日本の絵画は絹や紙に描かれたものが多いが、これは麻の布に描かれており、奈良時代にはいくつかの作例があるがめ珍しい。
ふっくらとした顔に濃い眉、髪は上部に2つで結っており、唐の影響を受けた典型的な天平美人。 中国の影響が色濃い服装で、ひれがたなびくように描かれている。 左手には願いが意のままに叶うという「如意宝珠」を持っている。 左から右に歩いているように描かれていて斜めを向いているので、大きな画の一部だったという説もある。
この国宝を観るには
正月三が日に行われる修正会「吉祥悔過法要」の本尊とされ、罪を悔い天下泰平・五穀豊穣・吉祥招福を祈る法要で、1/1~15まで行われる。 国宝の『吉祥天像』は1/1~3のみで、1/4~15は復元された「平成の吉祥天画像」となる。 金堂の本尊『薬師三尊像』の手前に掲げられるので、三が日の拝観時間内なら観ることができる。
寺外での公開
2025/4/19~5/6 奈良国立博物館「超・国宝」
2021/9/18~9/24 龍谷ミュージアム「アジアの女神たち」
2020/2/28~4/19 3/2 あべのハルカス美術館「薬師寺展」
★新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、3/2で終了
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-25
出典:国指定文化財等データベース一部抜
【指定番号】00022-00
【種別】絵画
【指定名称】麻布著色吉祥天像
【員数】1面
【国】日本
【時代・年】奈良時代
【所有者】薬師寺
【国宝指定日】1951.06.09
ご朱印
正月元旦~15日「修正会」期間限定ご朱印
鑑賞ログ
2019年1月
新年3が日他、特別な機会にしか観られない国宝の『吉祥天像』を観てきました。 チケット売り場の方から鑑賞のコツ?を教えて頂きまして「正面はガラスが光るから、斜めでやや下から見上げるといいわよ!」と。 金堂に入ると、薬師如来の前に額のようなものに入れられていました。 入った時はちょうど僧侶の方が説明される時間で混みあいましたが、それが終わると人が流れ出し、色んな角度で拝見させて頂きました。 この期間だけの限定ご朱印も頂けました。