国宝『小太刀 銘 来国俊(黒漆蛭巻太刀拵)』
鎌倉時代中期に山城国(現在の京都府)で興った刀工集団「来派」には、「国俊」と銘を切るものと「来国俊」と3字で切るものがおり、作風も異なることから別人とされるが、同人物の作風の違いとする説もある。
太刀の中でも60cm以下の小さめの太刀を「小太刀」といい、この小太刀は刃長54.4cmと、国宝に指定された中では最も小さい。 主に騎馬での佩刀で発展した太刀は、後世に地上戦が主流になると刃長を短くする磨上げが行われるが、この小太刀は磨上げを行わない「生ぶ茎」で、茎の形は衛府の太刀にみられる「雉子股」になっている。
細い帯状の金属板をらせん状に鞘に巻き付ける「蛭巻」の拵があり、刀身と同時代頃に作られたとみられる。 鞘には「奉寄進金子玄忠(花押)」の朱書きがあるが、この人物についての詳細は不明。
この国宝を観るには
東京国立博物館に寄託されていたが、2023年5月に返還され、二荒山神社宝物館で2023/6/15~2024/5/15に開催される「名刀 御神宝」展で公開される。
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-498
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00202-00
【種別】工芸品
【指定名称】{小太刀〈銘来国俊/〉/黒漆蛭巻太刀拵}
【ふりがな】こだち〈めいらいくにとし〉/こくしつひるまきたちこしらえ
【員数】1口
【国】日本
【時代・年】鎌倉時代
【作者】来国俊
【所有者】二荒山神社
【重文指定日】1912.02.08
【国宝指定日】1957.02.19