国宝『大覚禅師墨蹟(法語規則)』
蘭溪道隆(らんけいどうりゅう)は中国・南宋時代の禅僧で、北条時頼によって鎌倉に招かれ建長寺の開山となった。 厳格に禅を伝え、武士からの尊崇が厚く多くの弟子を輩出し、日本で最初の禅師号である「大覚禅師」が授けられた。 建長寺には、自賛の入った頂相画『蘭溪道隆像』が伝わっており、これも国宝に指定されている。
この墨蹟は蘭溪道隆自らが記したもので、「法語」と「規則」の2幅になっている。 「法語」は僧に対して怠慢を戒めて修行に専念するべきであると説き、「規則」は日常生活で守るべき作法や時間などが細かく書かれ、違反した場合の罰についても記されている。 南宋で人気の高かった「張即之」の書風に影響を受けている。
この国宝を観るには
建長寺では11月上旬の数日間に、虫干しを兼ねた特別公開「宝物風入」が行われ、2点の国宝をはじめとする寺宝が展示される。
普段は鶴岡八幡宮の境内にある「鎌倉国宝館」に寄託されており、同館では毎年のように鎌倉の国宝や重要文化財を集めた展覧会を開催するので、そこで観られることも多い。
建長寺・鎌倉国宝館 以外での公開
2019/5/21~6/23 三井記念美術館「円覚寺の至宝」
2018/3/13~4/8 九州国立博物館「王羲之と日本の書」
2016/11/15~11/27 東京国立博物館「禅―心をかたちに―」
2016/4/12~4/24 京都国立博物館「禅―心をかたちに―」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-613
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00071-00
【種別】書跡典籍
【指定名称】大覚禅師墨蹟〈法語規則/〉
【ふりがな】だいかくぜんじぼくせき
【員数】2幅
【所有者】建長寺
【国宝指定日】1952.03.29