国宝『後醍醐天皇宸翰 天長印信』(蝋牋)
後醍醐天皇が、弘法大師空海によって書かれたという伝承のあった「天長印信 」を書写したもので、延元4年(1339年)に書かれているが、後醍醐天皇は同年9月に吉野で崩御しているので、最晩年の書となる。 天皇による自筆は「宸翰(しんかん)」と呼ばれ、後醍醐天皇の宸翰では他に、大阪の四天王寺に伝わる『四天王寺縁起(後醍醐天皇宸翰本)』と、京都大徳寺に伝わる『後醍醐天皇宸翰御置文』の2点が国宝に指定されている。 後醍醐天皇前後の天皇の宸翰は、日本で発展した和様の書に、宋や元の流行も取り入れた堂々とした筆跡で、この時代の宸翰には筆跡の優れたものが多く「宸翰様」と呼ばれる。
「印信(いんじん)」とは、師が弟子に対して許可を与える書状のことで、「天長印信」は元号が「天長」(824~834年)の時代に、空海が弟子に与えた印信を指す。 空海筆とされた天長印信はすでに失われているが、空海筆ではないと考えられている。
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醍醐寺文化財アーカイブス →「醍醐寺の国宝・重要文化財」→「南北朝時代」
公開履歴
2024/4/13~5/12 奈良国立博物館「空海 KUKAI」
2023/11/1~11/16 醍醐寺 霊宝館「空海と真言密教の伝承」
2021/7/24~8/22 京都国立博物館「京の国宝」
2019/4/27~5/15 醍醐寺 霊宝館
2019/1/29~2/17 九州国立博物館「京都 醍醐寺-真言密教の宇宙-」
2018/9/19~10/8 サントリー美術館「京都・醍醐寺-真言密教の宇宙」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-813
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00039-00
【種別】古文書
【指定名称】後醍醐天皇宸翰天長印信(蝋牋)
【よみかた】ごだいごてんのうしんかんてんちょういんじん
【員数】1巻
【時代】南北朝
【年代】1339年
【ト書】延元四年六月十六日弘真跋
【所有者】醍醐寺
【国宝指定日】1951.06.09