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国宝-工芸|太刀 銘 則宗[日枝神社/東京]

国宝DB-刀剣

国宝『太刀 銘 則宗』

則宗は、鎌倉時代初期に活躍した備前国福岡(現在の岡山県)の刀工で、「福岡一文字派」の祖であり、後鳥羽院の番鍛冶も務めた。 この一派は刀剣の銘に「一」とだけ切るものが多く、在所と合わせて「福岡一文字派」とされた。

徳川家光の第4子として産まれた、第5代将軍綱吉(幼名:徳松)の宮参りの際に寄進されたもの。 江戸初期に作られ、宮参りであわせて奉納された葵紋の拵も現存し、附として国宝に指定されている。 則宗の刀剣はいくつか現存するが、国宝に指定されたものは、この1点のみ。 細身で優美な姿をしており、細鏨で「則宗」の銘を切っている。

日枝神社のこと

創始は不明だが、太田道灌が川越の山王社を勧進し、江戸幕府が開かれると江戸城の鎮守とされた。 第2代秀忠の時に、城外に新しい社殿を作り遷されるが明暦の大火で焼失し、その後に現在の場所に再建される。

江戸期を通じて将軍家の尊崇が厚く、将軍宣下や宮参りなど節目には宝物が奉納された。 日枝神社の例祭「山王祭」は、江戸三大祭りの1つにも数えられ、祭礼の行列が江戸城内に入り将軍にも見物される「天下祭り」であった。

この国宝を観るには

境内に宝物殿があり、時期によって展示品が交代する。 この国宝は、原則的に1月・6月・7月・12月に展示される。

時間:9:00~16:00
料金:無料

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-291
【指定番号】00005-00
【指定名称】太刀〈銘則宗/〉
【ふりがな】たち〈めいのりむね〉
【員数】1口
【国】日本
【時代・年】鎌倉時代
【寸法・重量】刃長78.5cm、反り2.7cm、元幅2.6cm、先幅1.6cm、鋒1.4cm
【品質・形状】鎬造、庵棟、小切先詰まり、腰反り高く踏張りの強い太刀姿。
地鉄は小板目肌つみ、乱れ映り立ち、刃文は細かに沸づいた小乱れに小丁子交じり、足、葉よく入り、金筋かかる。
【画賛・銘等】則宗
【伝来・他】正保三年(1646)徳川徳松寄進
【附指定】糸巻太刀拵
【所有者】日枝神社
【国宝指定日】1951.06.09
【説明】則宗は福岡一文字派の始祖で、後鳥羽院番鍛冶の一人として名高いが、有銘確実な作刀で現存するものは数少ない。腰反りが高く優美であるが、刃文は丁子乱れを主体とし、鮮やかに映りが現れている点に特色がある。正保三年に徳川徳松(後の五代将軍綱吉)が参詣の折寄進した。附の糸巻太刀拵は当時のもので、赤銅魚々子地に高彫金色絵の葵紋を配し、鞘は金平目地に葵紋を蒔絵し、柄と鞘を茶糸で巻いた豪華なものである。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
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