古代中国・オリエントの美術リターンズ
武家の名門、細川家のコレクションを旧宅跡で公開している美術館が「永青文庫」で、肥後細川庭園の一角にあります。 この冬の展覧会は、「古代中国・オリエントの美術 リターンズ」で、何がリターンなのかというと、2020年2/15~4/15に同名の展覧会が開催されましたが、新型コロナウィルスの感染拡大で、3/31で終了となってしまったのです。
永青文庫には考古の国宝が2点あり、前後期で1点ずつ公開されていたので、後期の展示予定だった国宝『金彩鳥獣雲文銅盤』は、わずか2週間ほどの公開になってしまいました。 しかも3月下旬はかなり感染者が増えてきた時期で、実は私も後期に行くのはあきらめたのでした。
室町幕府では管領家で、戦国時代に戦果を挙げて、江戸時代には肥後熊本藩主になった細川家は、明治時代に入ると侯爵の爵位を授与され、現代にまで続く名家です。 総理大臣を務めた後に、美術家として活躍されている細川護熙氏のお祖父様、細川護立氏も美術への造詣が深く、日本や中国の美術品だけでなく、古代オリエントの美術品も蒐集されました。 この展覧会では、護立氏のコレクションを中心に中国からヨーロッパまでの古代美術品が公開されるようです。
この展覧会で観られる国宝
金銀錯狩猟文鏡(細川ミラー)
前期(2021/12/18~2022/1/23)のみ
中国の戦国時代に作られた鏡で、背面には「金銀錯」という技法で、狩猟をする人物や鳥獣が描かれています。 虎を狩る人物の図像もあるので、寅年の新年にあわせての展示期間でしょうか。
金彩鳥獣雲文銅盤
後期(2022/1/25~2/13)のみ
中国の漢時代に作られた銅盤で、手を清めるための水を受けるために使われたもののようです。 盤の内側には細かい模様が彫られています。
展覧会 概要
期間:2021/12/18~2022/2/13
休日:毎月曜(1/10は開館し、1/11が休館)、12/27~1/7
時間:10:00~16:30(入館は30分前まで)
料金:一般¥800、シニア¥600、大高生¥300、中学生以下無料