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情報|京都国立博物館「法然と極楽浄土」2024/10/8~12/1[京都]

情報-博物館・美術館

法然と極楽浄土 展

今年は浄土宗の開宗から850年で、4~6月の東京開催に続き、法然上人の本拠地である京都で「法然と極楽浄土」が開かれます。 国立博物館の特別展は、一般的な巡回とは違って場所によって出展品に特色が出ることが多く、地元である京都ほか関西の寺院から多数の出展があり、リストを見ると、200点弱の内45点が京都会場のみの公開です。 国宝では、清浄華院の阿弥陀三尊像の公開は珍しいですし、京博と永観堂の山越阿弥陀が揃うのも貴重です。

今回、珍しいなと感じたのが、展覧会の途中で展示替えがある場合は前期の方が豪華になることが多いのですが、今回は後期(11/6~12/1)に国宝が集中しています。 もしかしたら京都の紅葉シーズンに合わせてくださったのかもしれません。 混雑を避けたい方は、毎週金曜日の夜間延長(夜20時まで)をお勧めします。

原則として会場内の撮影は禁止のようですが、東京会場でも撮影OKだった香川県・法然寺の「仏涅槃群像」は京都会場でも撮影可能です。 お釈迦様の入滅を弟子や動物たちが嘆いて集まっている立体涅槃図で、動物たちがとってもかわいいんです。

京都会場では「法然と京都マップ」も配られるようなので、展覧会を観てから法然所縁の地をめぐるのも京都ならではの楽しみになりそうです。

京都国立博物館「法然と極楽浄土」チラシより
香川県・法然寺の「仏涅槃群像」東博で撮影

この展覧会で観られる国宝

第1章 国宝『法然上人行状絵図(法然上人絵伝)』[知恩院/京都]

10/8~10/20「巻第3」「巻第6」
10/22~11/10「巻第7」「巻第34」
11/12~12/1「巻第37」「巻第42」

法然上人の生涯や事跡だけでなく法話や著述まで書かれた48巻の絵巻物で、法然上人の死後100年ほど経った頃に作られました。 この時代の絵画は、人の顔の特徴をとらえたり表情豊かに表現するようになるので、人々の表情が実にかわいらしいんです。 京都会場では期間を3期に分けて、各2巻ずつが公開されます。 

第2章 国宝『阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)』[知恩院/京都]11/6~12/1 

この展覧会のメインビジュアルに使われている絵画で、天から降りてくる阿弥陀如来一行がスピード感あふれた描き方をされているので、早来迎と呼ばれています。 紡ぐプロジェクトの修理事業によって3年をかけて修理されたばかりで、阿弥陀如来に付き従う菩薩たちの楽しそうな表情までしっかり観られます。

第2章 国宝『山越阿弥陀図』[永観堂(禅林寺)/京都]11/6~12/1 

紅葉の名所として名高い永観堂は、正式名称を禅林寺という浄土宗の寺院です。 2つの穏やかな山の中央に阿弥陀如来が上半身を現していて、左右には臨終者の元に雲に乗って降りてくる観音・勢至菩薩が描かれます。 阿弥陀如来の手には糸が結ばれた跡があるので、臨終のときに糸を手にして阿弥陀如来と結ばれたのだそうです。 存在感の大きい阿弥陀様ですが、表情が上品で柔らかくて貴族的な雰囲気を感じます。

第2章 国宝『山越阿弥陀図』[京都国立博物館]11/6~12/1 

もう1点の国宝の山越阿弥陀は京博所蔵のもので、永観堂のものとはかなり構図が異なります。 山の向こうに阿弥陀如来がいるのは同じですが、こちらは全身が仏像のような金色で、斜めを向いた姿は腰あたりまで描かれ、脇侍の6菩薩はやや小さい姿で阿弥陀如来の周囲にいます。 これは私の勝手な感想ですが、阿弥陀様ご一行が山の向こうで待っていてくれるような印象を受けます。

第2章 国宝『阿弥陀三尊像(普悦筆)』[清浄華院/京都]11/6~12/1

南宋時代の中国で描かれた阿弥陀三尊像で、3幅の掛軸に阿弥陀如来と観音菩薩・勢至菩薩が1躯ずつ描かれています。 南宋や高麗仏画で目が行くのが、如来の頭のこぶ「肉髻」の正面にある「肉髻珠」で、日本では白毫と同じくらいに表現されますが、これがとても目立って大きいんです。 画面が全体的に暗くなっていますが、足利将軍家の所有だった由緒ある仏画です。

第3章 国宝『綴織当麻曼荼羅図(當麻曼荼羅)』[當麻寺/奈良]11/12~12/1

とにかくこの展覧会で一番貴重な公開がこの當麻曼荼羅で、布製品は劣化しやすいので後半の3週間弱だけ公開されます。 綴織(つづれおり)は多くの色糸を使って細かい模様を織り出す技法で、現在でも綴織の帯や工芸品は大変な高級品です。 この曼荼羅は綴織で阿弥陀如来の営む極楽浄土を表現したもので、唐時代の中国か奈良時代の日本で作られたか諸説あるというものです。 公開がかなり少ないので、未見の方はぜひこの期間を狙ってください。

展覧会 概要

日程:2024/10/8~12/1
休館:月曜日(祝は開館し、翌火曜が休館)
時間:9:00~17:30(入館は30分前まで)
夜間:毎金曜日は20時まで(入館は30分前まで)
料金:一般¥1,800、大学生¥1,200、高校生¥700

京都国立博物館 公式サイト
法然と極楽浄土展 特設ページ

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