佐野美術館のこと
三島市出身の実業家「佐野隆一氏」が、ご自身の日本美術コレクションを元に、昭和41年(1966)に開館された美術館です。 国宝の『薙刀 銘 備前国長船住人長光造』の他、刀剣・書画・茶道具・仏像など幅広いコレクションをお持ちです。 美術館の奥には、佐野邸として作られた日本庭園「隆泉苑」が広がり、美術館の開館時間内には散策することができます。 三嶋大社も徒歩圏内ですし、三嶋の市街地は小川が多くて散歩向きと、のんびり1日を過ごすのに程よい街ですよ。
名刀百花 展
佐野美術館の新年は、刀剣に関する展覧会が開かれることが多いでしょうか。 今回は「名刀百花」と題して、貴族の刀剣~武士の刀剣~太平の世の刀剣と、刀剣の歴史を追う構成になっているようです。 特に武士については、備前の刀剣・鎌倉の刀剣・北条の刀剣と、作者や所持者について章が分かれています。 鎌倉の刀剣では正宗が3口も出ますし、北条の刀剣では展示される6口全てが鎌倉時代中~後期のもののようで、鎌倉殿の13人を意識した内容なのかもしれません。
この展覧会で観られる国宝
薙刀 銘 備前国長船住人長光造
佐野美術館が所蔵する薙刀(長刀=なぎなた)で、鎌倉時代に備前長船派の「長光」によって作られたものです。 津山藩主の松平家に伝来したものですが、権威の象徴として大切にされ数多く残る太刀に比べ、薙刀は実戦で消耗されたので、状態が良く現存する例は数少ないのだそうです。
太刀 銘 一
沼津出身の実業家である故・矢部利雄氏の蒐集品「矢部コレクション」で、佐野美術館に寄託されているようです。 矢部コレクションにはあの有名な「蜻蛉切」など刀剣を中心に、絵画や工芸など幅広いものだそうです。 この太刀は、長篠の合戦の戦功に対する褒美として、織田信長から奥平信昌に与えられたものです。
展覧会 概要
期間:2022/1/8~2/13
時間:10:00~17:00(受付は30分前まで)
休館:毎木曜日
料金:一般¥1,100、小中高生¥550
公式サイト:https://www.sanobi.or.jp/