春の優品展「和と漢へのまなざし」
平安時代中期、藤原道長と同時代で同じ年の「藤原公任」は、名門の出ながら時流の変化で思うような出世ができず、和歌など文才や管弦の方で名を馳せます。 娘が道長の子息と結婚する際の引き出物として、漢詩や和歌を集めた「和漢朗詠集」を編纂しました。 今回は、館蔵品の中から和漢朗詠集やその時代の書画を中心とした展示です。
毎年ゴールデンウィークの恒例になっている、国宝『源氏物語絵巻』も10日間だけ出展されるほか、同時開催の「大東急記念文庫創立70周年記念特別展示 大東急記念文庫の精華」には国宝の禅画『六祖挟担図』も出展されます。
この展覧会で観られる国宝
六祖挟担図 偃谿黄聞賛
※後期4/23~5/6のみ
中国南宋時代の水墨画で、禅宗の6番目の祖「慧能」を描いたものです。
源氏物語絵巻
※4/27~5/6のみ
大名の蜂須賀家旧蔵の源氏物語絵巻で、現在は断簡され額装になっています。 平安後期頃に制作されたもので、現存する最古級の源氏物語です。 「鈴虫1」「鈴虫2」「夕霧」「御法」が全て出展されます。
その他の作品
今回は「五島美術館」と「大東急記念文庫」が所蔵する品で構成されていますが、2点の国宝のほか前後期あわせると26点の重要文化財と2点の重要美術品も出展されます。
和漢朗詠集
手鑑(鴻池家旧蔵)
金峯山埋経 藤原道長筆
高野切 伝紀貫之筆
沙門地獄草紙断簡(益田家本)
北野天神縁起絵巻断簡(弘安本)
源氏物語絵巻 復元模写
大東急記念文庫創立70周年記念特別展示
「大東急記念文庫」は東急の創設者である五島慶太氏が設立した東洋の古典籍を集めた文庫で、今年は70周年を記念して展示室2でそのコレクションが展示されます。 4月~10月まで、企画展に合わせた4回の展示替えがあり、今回第1回目は「大東急記念文庫の精華」と題して書画の名品が展示されます。
公忠朝臣集 藤原定家筆
寒山図 霊彩筆
平家物語(延慶本)
白描四天王図像 幻証本 ほか
展覧会情報
期間 2019/4/6~5/6
住所 東京都世田谷区上野毛3-9-25
拝観時間 10:00~17:00(入館は~16:30)
休館日 毎月曜日(祝日の場合は翌平日)、展示替、夏期、年末年始など
入館料 通常:大人¥1,000、高校・大学生¥700、中学生以下¥0
特別展 展示により異なる場合あり
割引 団体20名以上¥800、ぐるっとパス2019で企画展無料
交通 東急大井町線「上野毛」徒歩5分、各線「二子玉川」徒歩15分
アクセス 渋谷から約40分、品川から約40分、東京駅から約60分
施設 庭園には季節の花々や石仏が点在(入園のみ¥300)、茶室は非公開
国宝 古林清茂墨蹟、史記、六祖挟担図、源氏物語絵巻、紫式部日記絵詞、日向国西都原古墳出土金銅馬具類
イベント 友の会を対象とした講座や教室、一般向けのギャラリートークなど週に1~3回あり
※訪問する際は最新の公式情報をご確認ください
公式サイト https://www.gotoh-museum.or.jp/