大仙院のこと
大徳寺の塔頭で、本坊の北に位置する大仙院は、20を超える塔頭の中でも格が高く、大徳寺の法流「北派」の本庵とされる。 永正6年(1509年)に、大徳寺の76世住職で大聖国師の号を賜った「古岳宗亘(こがくそうこう)」によって創建された。 沢庵漬けを考案したといわれる「沢庵宗彭」や、千利休の居士号を付けたとする説のある「古渓宗陳」など、多くの名僧を輩出している。
国宝『本堂(方丈)』
大仙院の創建当時に建てられた本堂は、東福寺の塔頭で国宝の『竜吟庵』に次ぐ古さで、禅寺の方丈建築の代表的な遺構。 附として国宝に指定されている「棟札」から、永正10年(1513年)の建築だと判明している。 本堂を取り巻くように枯山水の庭が広がり、床の間と附指定の玄関は日本最古といわれる。
白砂の広がる南側の庭に面した3間と、巨石を積み上げた庭や書院につながる廊下のある北側に3間の6間で構成され、南面の3間の方が広い。 障壁画は、足利将軍家に仕えた相阿弥による「瀟湘八景」、狩野派の2代目狩野元信による「花鳥図」などが重要文化財に指定されている。
この国宝を観るには
大徳寺は、拝観謝絶の塔頭が多いが、大仙院は拝観を受け付けている。 国宝の本堂で行われる座禅会や、禅寺体験教室などのイベントも開かれている。 建物に入ると写真撮影はできない。
豊臣秀吉が、大仙院で茶を飲んだ後に3つの良いことがあったという縁起から「三福茶」を頂くことができる。(別料金¥300)
時間:9:00~17:00
料金:¥400
文化財指定データ
【台帳・管理ID】102-1594
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00187
【種別】近世以前/寺院
【指定名称】大仙院本堂
【ふりがな】だいせんいんほんどう
【員数】1棟
【時代・年】永正10年(1513年)
【構造・形式】桁行14.8m、梁間10.8m、一重、入母屋造、銅板葺
【附指定】玄関1棟、棟札4枚
【所在地】京都府京都市北区紫野大徳寺町
【国宝指定日】1957.06.18
【説明】大仙院は大德寺の一塔頭で、本堂は永正十年に建立された方丈である。背面一部に改変のあともあるが、それを除けば、各部の木割細部の手法などに室町時代の特徴がよくみられ、意匠整然として風格も髙く中世の方丈建築で現存するものが少い今日貴重な遺構ということが出來る。