元興寺のこと
興福寺の南に位置し、かつては 南都七大寺にも数えられる大寺院で、興福寺と接していた。 元は飛鳥の地に蘇我馬子が建立した飛鳥寺で、遷都によって平城京に移転したもの。
創建時は広大だった元興寺だが時代と共に荒れ、室町時代頃には一揆等で伽藍の多くを失い縮小し、現在の元興寺である極楽坊ほかいくつかの寺院に分かれていく。 智光曼荼羅を本尊とする極楽坊が、現在の元興寺となっている。
国宝『本堂』『禅室』
本堂・禅室とも鎌倉期の建築だが、柱や瓦など部材は飛鳥~奈良時代のものが残っている。 古い瓦の一部は飛鳥寺時代のものも含まれ「行基葺き」という方法で葺かれている。 柱や梁などは奈良時代のものも多い。
智光曼荼羅を安置する堂が「本堂」で、その奥にある僧が生活をする場所が「禅室」となっている。 創建時はこのような禅室が建ち並んでいたが、現在残っている禅室には4つの部屋に分かれている。
元興寺の他の国宝
五重小塔 寺内の「法輪館」に安置
薬師如来立像 奈良国立博物館に寄託でされており、現地では観られない
この国宝を観るには
拝観時間内ならいつでも観ることができる。 本堂は上がって参拝でき、禅室は外側からだが、座禅などのイベントで入室できることがある。
文化財指定データ
台帳・管理ID 102-2489
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
指定番号 00204
指定名称 元興寺極楽坊本堂
よみかた がんごうじごくらくぼうほんどう
時代・年 鎌倉前期 寛元2年(1244年)
構造及び形式 桁行六間、梁間六間、一重、寄棟造、妻入、正面一間通り庇付、本瓦葺、閼伽棚を含む
重文指定日 1901.03.27
国宝指定日 1955.02.02
所在地 奈良県奈良市中院町
所有者 元興寺
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
台帳・管理ID 102-2491
指定番号 00206
指定名称 元興寺極楽坊禅室
よみかた がんごうじごくらくぼうぜんしつ
時代・年 鎌倉前期 1185-1274年
構造及び形式 桁行四間、梁間四間、一重、切妻造、本瓦葺
重文指定日 1906.04.14
国宝指定日 1953.03.31
所在地 奈良県奈良市中院町
所有者 元興寺
ご朱印
ついでにグルメ
元興寺から、直線距離だと50mほど、歩いて数分のところに、自家製パンとカフェの「MIA’S BREAD」があります。 1FはSHOPで2・3階がカフェになっています。 朝8時から開いているので、早朝散策の帰り道にもちょうど良いです。 具がギュウギュウのサンドイッチが人気で、野菜もタンパク質も補給出来ます。 本がたくさん並んだカフェは、情報収集もできるので、旅行の方にもおすすめです。
鑑賞ログ
2017年12月
奈良ホテルから徒歩5分くらい。静かなひっそりしたお寺で、曼荼羅をまつっている本堂にも上がることが出来たり、「法輪館」という宝物館には仏像や発掘品の他にも元興寺の歴史や発掘についての資料がたくさんあり、しっかり観ると1時間以上はかかる。五重小塔は高さ5.5mほどで法輪館に置かれているが、これは「建築物」として国宝に登録されているらしいです。