国宝『燕子花図屏風』
伊勢物語の「東下り」がモチーフ。 東下りは、在原業平が東国に下る途中の三河国の八橋(愛知県知立市)で、妻を思う和歌を詠むというもの。 画にはカキツバタしか描かれていない。 光琳の作品には他にも、伊勢物語をモチーフにした国宝の『八橋蒔絵螺鈿硯箱』がある。
この画は、屏風の金箔と花の群青色と葉の緑色の3色しか使われておらず、群青や緑は鉱石をくだいた岩絵の具が使われている。 花の一部には同じ型紙が使われ、全く同じ柄が2度登場している。
尾形光琳のこと
光琳は、京都の裕福な呉服屋「雁金屋」の二男として生まれる。 雁金屋は、茶々・初・江の浅井三姉妹にも呉服を納めていたような名店だったが、光琳の兄が継いだころには経営が傾いていた。 風流暮らしをしながら狩野派の絵画を学び、俵屋宗達に私淑して独自の画風を完成させ、40代には法橋の位も得ている。 弟は陶芸で有名な尾形乾山で、兄弟で合作もしている。
こちらで画像が見られます
根津美術館のWebサイト「コレクション」で画像を見られます。
この国宝を観るには
所有する根津美術館で、毎年4~5月頃に出展されることが多い。
公開履歴
2025/4/26~6/15 大阪市立美術館「日本国宝展」※展示期間未確認
2024/4/13~5/12 根津美術館「国宝・燕子花図屏風」
2023/4/15~5/14 根津美術館「国宝・燕子花図屏風」
2022/4/16~5/15 根津美術館「燕子花図屏風の茶会」
2021/4/17~4/24 根津美術館「国宝 燕子花図屏風−色彩の誘惑−」
2020/11/14~12/20 根津美術館「根津美術館の国宝・重要文化財」
2020/4/18~5/17 根津美術館「国宝 燕子花図屏風―色彩の誘惑―」※開催中止
2019/4/13~5/12 根津美術館「尾形光琳の燕子花図」
文化財登録データ
【台帳・管理ID】201-8
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00008-00
【種別】絵画
【指定名称】紙本金地著色燕子花図〈尾形光琳筆/六曲屏風〉
【員数】1双
【時代・年】江戸時代
【作者】尾形光琳
【所有者】根津美術館
【国宝指定日】1951.06.09