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国宝-絵画|餓鬼草紙[京都国立博物館]

国宝DB-絵画

餓鬼と六道

餓鬼とは、仏教の「六道」の1つで、天道・人道・阿修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道の5番目、地獄よりもマシだが苦しみは多く、畜生道・地獄道との3つで「三悪道」と呼ばれる。 人間だけでなく生き物は全て、生前の行いによって来世で六道のいずれかに生まれ変わるとされる。 一番良い「天道」でも死の苦しみはあり、それも無い「極楽浄土」に行くことが願われた。

参考:餓鬼草紙(絵十図・河本本)[東京国立博物館]

国宝『餓鬼草紙』

後白河法皇が、三十三間堂の宝蔵に納めたものの一部だと考えられ、同じ宝蔵にあったとされる東京国立博物館蔵の国宝『餓鬼草紙』と区別して「京博本」と呼ばれている。 元は、岡山県の曹源寺が旧蔵していたもので「旧曹源寺本」とも呼ばれる。

全長5mを超える絵巻物で、詞書と絵が7段で構成されるが、絵画面の大きさは一定でなく幅広なものから縦長になるほど狭いものまで混在する。 全て餓鬼にまつわる説話だが、段によって根拠とする経典が異なる。 画風も、筆致だけでなく画面の使い方や構成に差があり、いくつかの画家またはグループが制作に関わったと推定される。

1・2段は、食水餓鬼の救済
3・4段は、盂蘭盆経から目連が母を救う説話
5段は、水を飲めずに苦しむ餓鬼が異時同図で描かれる
6段は、焔口餓鬼のために阿難が釈迦に救済の呪文を教わる
7段は、阿難から餓鬼救済の方法を教えられた僧が施餓鬼を始める

京都国立博物館「聖地をたずねて」チラシより

この国宝を観るには

所蔵する京都国立博物館で公開されることがあるが、それほど多くない。

公開履歴

2023/10/11~11/5 東京国立博物館「やまと絵
2020/8/18~9/13 京都国立博物館「聖地をたずねて

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-84
【指定番号】00081-00
【種別】絵画
【指定名称】紙本著色餓鬼草紙
【員数】1巻
【国】日本
【時代・年】鎌倉時代
【所在地】京都国立博物館
【国宝指定日】1953.11.14

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
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