国宝『帰牧図』
南宋の宮廷画家「李迪(りてき)」による淡彩の水墨画で、色紙程度の正方形に近い絹布に描かれている。 人が牛に乗る「騎牛」図と、人が牛をひく「牽牛」図の2幅が対になっているが、国宝には騎牛が指定され、牽牛は騎牛図の「附」として国宝に指定されている。 足利義尚の所蔵と伝わる東山御物で、井伊家や益田鈍翁の手を経て現在は近鉄HDが所有する。
騎牛図は、雪の積もる中を雉を持った牧童が牛に乗っているところを描いたもの。 牽牛は同じように雪の中を、菅笠の農夫か牧人と思われる人物が牛をtれて歩いている。 騎牛図は李迪の筆だと考えられるが、牽牛図は筆跡など異なり別人の作だと考えられている。
李迪の作では他に、東京国立博物館所蔵の『紅白芙蓉図』が国宝に指定されている。
この国宝を観るには
現在の所有者は近鉄ホールディングスが所有しており、同社の施設である「大和文華館」の特別展などで公開されることがある。
公開履歴
2023/4/7~5/14 大和文華館「染織品と松浦屏風」
2022/10/8~11/6 京都国立博物館「京に生きる文化-茶の湯-」
2020/7/10~8/16 大和文華館「コレクションの歩み展Ⅰ」
2019/7/13~9/1 九州国立博物館「室町将軍展」
文化財指定データベース
【台帳・管理ID】201-137
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00131-0
【種別】絵画
【指定名称】絹本著色帰牧図〈李迪筆/(騎牛)〉
【ふりがな】けんぽんちゃくしょくきぼくず
【員数】1幅(附1幅)
【国】中国
【時代・年】南宋時代
【所在地】大和文華館
【国宝指定日】1956.06.28