蔵王権現像[西新井大師総持寺/東博寄託]

蔵王権現像[西新井大師総持寺/東博寄託]

西新井大師「総持寺」

総持寺は神奈川県にある曹洞宗の総本山が有名だが、東京都足立区にある真言宗豊山派の寺院「西新井大師」も正式名称は「総持寺」という。 伝承では空海によって平安時代に創建され、川崎大師とともに「関東三大師」にも数えられる(残り1つは諸説あり)

国宝『蔵王権現像』

蔵王権現像だが、仏像の形態ではなく金属板に、線で模様や図像を表す「毛彫り」で蔵王権現と眷属を彫ったもので、一般的な仏像と同様に礼拝の対象であった。 国宝の指定は『鋳銅刻画蔵王権現像』で、『線刻蔵王権現像』などとも表現される。

吉野の金峯山から出土したものだが、明治38年に総持寺に寄進され、同寺の所有となる。 長保3年(1001年)の刻印があり、国宝の指定は彫刻ではなく「工芸品」として指定されている。

下部は失われているが、憤怒形で目が3つある蔵王権現を中心に、左側に13尊・右側に19尊の合計32躰の眷属(けんぞく)が彫られている。 仏像や仏画の元データのようにも使用された「白描仏画」のように繊細な線だが、躍動感のある生き生きとした表情をしている。

この国宝を観るには

東京国立博物館の本館3室で常設展示されている。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-300
【指定番号】00014-00
【種別】工芸品
【指定名称】鋳銅刻画蔵王権現像
【ふりがな】ちゅうどうこくがざおうごんげんぞう
【員数】1面
【国】日本
【時代・年】長保3年(1001年)
【寸法・重量】縦67.0cm、横76.3cm
【品質・形状】台座と下辺を失うが、仏像の光背に類似した三葉形の主要部分を存している。表面は琢磨競られた平滑な面に、流麗自在な細線彫で中央に大きく蔵王権現忿怒降魔の相姿を描く。蔵王の左右には、左19人、右12人の眷属がが守護するように取り囲む。裏面は周縁に低い広縁を鋳出し、中央に大きく弥陀の種子を、それを囲んで左下より弥勒、阿?、胎蔵界の大日、釈迦の四つの種子を配し、さらに周縁に沿って、聖観音の真言と胎蔵界大日の真言(いずれも梵字)が記されている。また「長保三年辛丑四月十日辛亥内匠寮史生壬生□」の籠字銘を刻す。
【ト書】長保三年四月十日在銘
【画賛・銘等】「長保三年辛丑四月十日辛亥内匠寮史生壬生□」の銘がある。
【伝来・他】明治38年篤志家より寄進
【所有者】総持寺
【重文指定日】
【国宝指定日】1951.06.09
【説明】多数の眷族を従える蔵王権現を三葉光背形の分厚な鋳銅板に線彫で描いた物。蔵王権現の御正体の遺品のうちでは特大であり、また長保3年(1001)は年代的にも最も古い。もとは奈良県吉野群の金峯山から発掘されたものであるが、明治38年に当寺に寄進された。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

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