国宝『太刀 銘 正恒』
平安時代後期に備前国(現在の岡山県と兵庫県の一部)の刀工「正恒」によって作られた太刀。 平安~鎌倉時代にこの地域で活躍した刀工の一派を「古備前」と呼び、一条天皇の刀を作った「友成」が始祖だとされる。
「正恒」の名は何名かが名乗っているが、古備前の初代と二代目は親子だと考えられる。 現在、国宝に指定されている「正恒」は5口あるが、全て「正恒」の銘が入っている。 備中国の青江派にも正恒という名の刀工がいるが、これとは関係ない。
この国宝を観るには
所有は文化庁(国)だが、東京国立博物館で保管されている。 東京国立博物館の常設展などで数年に1度は観られるほか、特別展などへの出展もある。
公開履歴
2024/2/7~3/24 京都国立博物館 名品ギャラリー
2023/4/11~7/2 東京国立博物館 13室
2022/2/8~5/8 東京国立博物館 13室
2021/3/2~5/23 東京国立博物館 13室
2019/2/19~5/12 東京国立博物館
201710/3~10/29 京都国立博物館「国宝」
2015/7/22~9/23 東京国立博物館
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-333
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00046-00
【種別】工芸品
【指定名称】太刀〈銘正恒/〉
【ふりがな】たち〈めいまさつね〉
【員数】1口
【国】日本
【時代・年】平安時代
【寸法・重量】長二尺六寸四厘 反八分二厘 元幅一寸 先幅五分七厘 鋒長九分
【作者】正恒
【品質・形状】鎬造、庵棟、小鋒、腰反りやや浅く踏張りある立ち姿である。板目約り、地沸細かにつき乱れ映り立ち、波文は中直に小乱交り、足、葉繁く入り、匂、小沸深く、帽子沸つく。茎は生ぶで、鑢目太刀、原目釘孔の下に「正恒」と銘がある。
【所在地】東京国立博物館
【重文指定日】1931.01.19
【国宝指定日】1952.03.29
【説明】古備前正恒の作である。正恒は備前でも同名数あるが、この正恒は姿、銘振り良く、作風に古備前本来の面目を良く示し、健全な作である。