国宝『太刀 銘 助真』
鎌倉時代の備前(現在の岡山県)を本拠とした刀工の一派「福岡一文字派」出身の刀工「助真」は、鎌倉に招かれて「鎌倉一文字(相州一文字)」を興す。 家康の愛刀として有名な国宝『日光助真』と共に優品として名高い。 紀州徳川家に伝来し、現在は東京国立博物館蔵。
福岡一文字派は、華やかな丁字刃(ちょうじば)を特徴とするが、助真もその特徴をよく表し、この太刀も華麗な刃紋がみられる。
沃懸地葵紋蒔絵螺鈿打刀
国宝『太刀 銘 助真』を、刃を上にして差すと「打刀」として使えるように、紀州徳川家が作った拵。 全体は「沃懸地」という漆に金粉を撒く手法で、葵の御紋を蒔絵や螺鈿で散らしている。
「打刀」とは、室町以降に地上での実戦用に作られた刀で、太刀よりも反りが少ない。 太刀は刃を上にして差すのに対し、打刀は刃を上向きにして差す。
この国宝を観るには
所蔵館の東京国立博物館で公開される場合がある。
公開履歴
2022/10/18~12/18 東京国立博物館 150周年「国宝 東京国立博物館のすべて」
2021/4/20~7/11 東京国立博物館5・6室
2019/9/3~11/24 東京国立博物館5・6室
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-405
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00112-00
【指定名称】太刀〈銘助真/〉
【ふりがな】たち〈めいすけざね〉
【員数】1口
【作者】助真
【時代・年】鎌倉
【寸法・重量】身長66.9cm、反り1.8cm、元幅3.0cm、先幅2.2cm、鋒長3.5cm、茎長17.9cm
【品質・形状】鎬造、庵棟、磨上げながら腰反り踏張り残る。鋒猪首。鍛小板目、地沸よくつき、映りごころあり。刃文重花丁子華やかに乱れ、足葉入り、総じて焼幅広く、匂深く小沸つく。帽子表尖り、裏小丸、沸強く掃きかける。茎磨上げ、先刃上がり栗尻、旧鑢目勝手下がり、目釘孔一、茎先に在銘。
【画賛・銘等】助真
【所在地】東京国立博物館
【国宝指定日】1953.03.31
【説明】備前福岡一文字派の刀工で、後に相州鎌倉に移住したと伝えられ相州一文字とも呼ばれる。彼の作は最盛期の一文字派の中でも特に華麗であるが、その作風をよく示している作刀で、日光助真に次ぐ優品である。