太刀 銘 来孫太郎作/(花押)正応五□辰八月十三日以下不明[徳川美術館/愛知]

太刀 銘 来孫太郎作/(花押)正応五□辰八月十三日以下不明[徳川美術館/愛知]

国宝『太刀 銘 来孫太郎作』

鎌倉時代中期に山城国(現在の京都府)で興った刀工集団「来派」には、「国俊」と2字で銘を切るものと、「来国俊」と3字で切るものがあり、作風も異なることから別人とされるが、同人物の作風の違いとする説もある。 この太刀には「来孫太郎」と銘が入り、これは来国俊の通称だといわれる。

表には「来孫太郎作」、裏には花押と「正応五年壬辰八月十三日」(国宝の指定では「正応五□辰八月十三日以下不明」とされる)と銘が入る。 同じ徳川美術館の所蔵品で、重要文化財の来国俊銘の太刀に「正和二二年」「歳七十五」と銘があり、正和二二年(4年の意=1315年)に75歳とすると、この太刀は来国俊が52歳前後の時のものだと考えられる。

徳川家康の所有だった太刀で、家康が駿府で亡くなると、その遺品を親族や家臣に分けたが、その品を「駿府御分物」と呼ぶ。 この太刀は、家康の9男で尾張藩初代藩主の「徳川義直」が分け与えられたと、尾張家の記録に残っている。

この国宝を観るには

徳川美術館には、単独で国宝に指定された刀剣が7口と、一括で国宝指定された『婚礼調度類』の中にも刀剣があり、刀剣の特別展が1~2年に1度は開催される。 通常展でも、国宝刀剣類が1口ずつ公開されるので、比較的観られる機会は多い。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-436
【指定番号】00142-00
【指定名称】太刀〈銘来孫太郎作/(花押)正応五□辰八月十三日以下不明〉
【ふりがな】たち〈めいらいまごたろうさく/(かおう)しょうおうご□たつはちがつじゅうさんひいかふめい〉
【時代・年】正応5年(1292年)
【作者】来孫太郎
【寸法・重量】身長77.3cm、反り3.0cm、元幅3.1cm、先幅1.9cm、鋒長2.9cm、茎長20.9cm
【品質・形状】鎬造、庵棟、華表反り高く踏張りあり。鍛小板目肌よく約み、地沸つき映りごころあり。刃文表裏下半は小乱れ僅かに逆がかり、上半は湾れごころの中直刃、逆足入り、下半は小沸つき
【画賛・銘等】表「来孫太郎作」、裏に花押および年紀、以下文字不明の銘がある。
【所在地】徳川美術館
【国宝指定日】1954.03.20
【説明】来孫太郎は来国俊の俗称と伝えているが、来孫太郎と銘したものは他に例がない。正応五年の年紀と同工のものと思われる花押があることも貴重である。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

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