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情報|徳川美術館「名刀紀行-京・大和と九州-」2021/6/5~7/11[愛知]

情報-博物館・美術館

徳川美術館

徳川美術館は、江戸時代の御三家筆頭だった尾張徳川家の文化財が元になっていて、尾張徳川家の隠居所であった大曽根屋敷跡地に、池泉回遊式庭園の「徳川園」や、尾張徳川家の蔵書を元にした「蓬左文庫」などに隣接して、大名文化を今に伝えています。

家康の形見分けである「駿府御分物」などの名品に、奥方が腰入れの際に持参されたお道具類や、近代のコレクションも加わり、国宝9件を含む10,000件ほどの文化財を所蔵しています。 ジャンルごとに分かれた「コレクション展」の他、年に5~6程度の特別展が開催されます。

名刀紀行-京・大和と九州-

単独で国宝に指定された刀剣を7口も所蔵する徳川美術館では、年に1度は刀剣をテーマにした展覧会が開かれます。 今回のテーマは「名刀紀行-京・大和と九州-」で、刀工の活躍した地域ごとに、徳川家ゆかりの名刀が並びます。

刀剣の5つの名産地を「五箇伝」といい、今回の3か所のうち京都の「山城伝」と奈良の「大和伝」が含まれます。 特に都のあった山城国は、平安時代末~鎌倉時代の刀剣に名品が多く、2件の国宝と3件の重要文化財が含まれます。 九州からは、筑前(福岡)の左文字派の作が多く、家康所持の刀剣が3口もあるようです。 産地ごとに、幅広い年代の刀剣が並ぶので、次代の特徴を比べるのも楽しそうです。

徳川美術館「名刀紀行-京・大和と九州-」チラシより

名古屋市立蓬左文庫「あかがね・くろがね」

徳川美術館に併設されていて、入館は共通券になっている「蓬左文庫」では、「あかがね」=銅、「くろがね」=鉄がテーマになっています。 それぞれの特徴を生かした武具や金工芸、小判や調度品など、かなり幅広い展示になるようです。 平和な江戸時代には、粋を凝らした「刀装具」という刀に付けるパーツが発展しますが、そこでは金属を混ぜ合わせて色味の違いが楽しまれました。 20点ほど並ぶようなので、名人たちの細工を堪能したいです。

徳川美術館「名刀紀行-京・大和と九州-」チラシより

この展覧会で観られる国宝

短刀 銘 吉光「後藤藤四郎」

鎌倉時代の山城国(京都)粟田口派の刀工「藤四郎吉光」の短刀で、秀吉に「天下の三名工」といわれたほどの名工です。 江戸幕府3代将軍の家光の長女「千代姫」が、尾張徳川家へ輿入れした時に、婿引出として、尾張藩2代藩主になる光友に贈られました。

太刀 銘 来孫太郎作/(花押)正応五□辰八月十三日以下不明

こちらも山城国(京都)の刀工集団「来派」の作刀で、「来孫太郎作」と銘が入っています。 家康の所有だったもので、家康が駿府で亡くなった後に親族や家臣に形見分けをしますが、その時の品物は「駿府御分物」と呼ばれます。 家康の九男で尾張藩初代藩主の「徳川義直」が分け与えられました。

婚礼調度 から「小刀 銘 山州姉小路住人宗定」

後藤藤四郎の短刀が尾張家に渡った時の婚礼、家光の息女「千代姫」はわずか2歳半で嫁入りしますが、その時の婚礼調度一揃いが国宝に指定されています。 徳川美術館の「名品コレクション」でも、常時1~2点の婚礼道具が公開されていますが、この展覧会では「小刀」が展示されます。

太刀 銘 光忠

この太刀は、蓬左文庫の「あかがね・くろがね」に出展されます。 銅と鉄がテーマのこの展覧会には、古墳時代の直刀から昭和のステンレス刀まで、色々な刀剣を集めたコーナーがあって、そこに並ぶようです。 鎌倉時代中期の備前(岡山)で、長船派の祖といわれる「光忠」の作で、華やかな刃紋の豪壮な太刀です。

名品コレクション

徳川美術館では、特別展と並行して通常展の「名品コレクション」も観ることができます。 刀剣、茶道具、室礼、能、奥(女性)の調度では、徳川家ゆかりの工芸品などが、約1カ月ほどで展示替えされます。 源氏物語絵巻の部屋では、この期間は本物は観られませんが、映像などで国宝の『源氏物語絵巻』が紹介されます。

国宝『婚礼調度(初音の調度)』から 4/28~6/20「初音蒔絵小櫛箱」

展覧会 概要

期間:2021/6/5~7/11
休館:月曜日
時間:10:00~17:00(入館は30分前まで)
料金:一般¥1,400、高大生¥¥700、小中生¥500(徳川美術館・蓬左文庫共通券)

徳川美術館 公式サイト

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