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国宝-工芸|密教法具(空海請来)[東寺/京都]

国宝DB-工芸

密教法具とは

法具は広くは仏具全般のことだが、密教法具というと密教(日本では真言宗や天台宗)の儀式で使用する専用の道具のことを指す。 有名な弘法大師の肖像画で手に持っている金属の器具は「金剛杵」という密教法具。 他に、厳島神社に伝わる鎌倉時代の『金銅密教法具』が国宝に指定されている。

国宝『密教法具 伝弘法大師将来』

空海が唐への留学から帰国する際に、数多くの経典や仏像・仏具などを日本に持ち帰っている。 この法具もその内で、真言宗でも特に重要とされる「後七日御修法(ごしちにちのみしほ)」で使用される。 国宝の『弘法大師請来目録』にも記載されており、盗難などによって一部散逸したが、国宝指定の3点は請来品が現在まで伝わっている。

2019/3/26~6/2 東京国立博物館「東寺展」 チラシより

国宝指定の内容

金銅五鈷杵:金属で両端が5つの槍状になっているもの
金銅五鈷鈴:鈴の上部が五鈷杵のようになったもの
金銅金剛盤:法具類を乗せる台のようなもの

「金銅」とは、銅製の加工物の表面に金メッキ、または金箔を貼ったもの

この国宝を観るには

大きな展覧会などに出展されることがあるが、公開はそれほど多くない。

公開履歴

2024/7/17~9/8 東京国立博物館「神護寺-空海と真言密教のはじまり
2024/4/13~6/9 奈良国立博物館「空海 KUKAI
2021/7/24~8/22 京都国立博物館「京の国宝
2019/3/26~6/2 東京国立博物館「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅展

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-525
【指定番号】00229-00
【種別】工芸品
【指定名称】密教法具〈(伝弘法大師将来)/〉
【ふりがな】みっきょうほうぐ〈でんこうぼうだいししょうらい〉
【寸法・重量】金剛盤:縦19.7cm、横34.8cm、高6.6cm
 五鈷鈴:高25.8cm、鈴身高7.3cm、口径7.7cm
 五鈷杵:長24.0cm
【品質・形状】いずれも鋳銅鍍金。 金剛盤は、通常の四葉蓮華形と異なり、三葉形で正面を連弧状につくった大形の盤である。縁は広く、胎面は深く窪み、胎面の縁周りには線彫りで内向連弁をまわし、その全面中央から日本の蓮華を左右に出して、中葉胎面に鉢峰輪宝とその全面に三鈷杵を表している。その左右の各鈷間には金剛鈴、金銅?、金剛索、金剛鈎を線彫りしている。左右、後の下面に忍冬蔓形の三脚を鋲止めしている。 五鈷鈴は、撫肩裾張りで、二重紐を三段にまわしたふくらみのある簡素雄大な姿で、把に著しく大きい鬼目をつくり、上下に八角三条の紐で約した鉢は素弁の蓮把を飾る。鈷は張り強く、中鈷は周りの四鈷よりやや長く八角形で本を三条の紐で約し、鈴心に鍛鉄造りの舌を垂れている。 五鈷杵は、八角形の把の中心切子形の稜線を境として、左右の八角各面に猪目形の眼を打ち込み、さらにその左右に素弁八用の蓮弁を伏せ、三条の紐で約し、弁端に小刻みをつけ蕊を表している。四方の鈷は張り強く、匙面に取り、棟に雲形子鈷三段を付ける。中鈷は八角形匙面取りで、まわりの四個よりやや長く作り、もとに三条の線をめぐらす。把の鬼眼鳴かんお三つに舎利嵌入の穴をふさいだ後と見られる埋金がある。
【所有者】教王護国寺(東寺)
【国宝指定日】1961.04.27
【説明】弘法大師請来目録(大同元年10月23日)に記載があるもので、『東宝記』によると永久六年後七日御修法道具目録にも記されている。その後唐櫃に納め伝え、弘法大師請来依頼、真言密教根本の修法道具として相承してきたものである。本来は九種あったものであるが、再々の盗難などによって紛失、補充されたりしたが、本五鈷鈴、五鈷杵、金剛盤は請来当初のもので、その様相が極めて力強い。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

鑑賞ログ

2019年3月

雲型のお盆?置き台?の上に、五鈷杵と五鈷鈴がセットされています。 TVのニュースなんかにもなる、密教の最重要級儀式「後七日御修法」で使われるのだそうですが、弘法大師が唐から持ち帰ったものが、今でも使われているって、すごいです。

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