大手鑑[陽明文庫/京都]

手鑑とは

「手鑑」とは、筆跡のお手本集のようなもので、厚紙をジャバラ仕立てにしたものに、古今の断簡や色紙や短冊などを貼りまぜたもの。 桃山時代以降に古筆の鑑賞が流行すると、公家・武家から庶民にまで親しまれ、嫁入り道具にも加えられるようになった。 

国宝『大手鑑』

公家で摂関家の筆頭である「近衛家」に伝わる手鑑で、2帖(2つの冊子)にそれぞれ139枚・168枚の筆跡を貼りまぜたもの。 その時代は奈良時代から室町時代まで幅広い。 『藻塩草』『翰墨城』『見努世友』と共に「四大手鑑」といわれ、これらは全て国宝に指定されている。

大手鑑は、江戸時代の近衛家当主で太政大臣も務めた「近衛家熙(このえいえひろ)」が作ったもので、その名の通り台紙が一般的な手鑑より大きい。 特に巻頭の「大聖武」は聖武天皇が写経したと伝わる賢愚経で、これだけでも国宝級の品だが、ここに貼られたものは20行もの大きさを誇る。 家熙は風流で博学だったようで、書や水墨画の他に茶道も嗜んだ。

この国宝を観るには

所蔵する「陽明文庫」は通常公開されておらず、博物館や美術館への出展の機会に観ることになる。 2帖あわせて300枚を超える筆跡が貼られているが、展示は頁が限られるので全て観ることは難しいと思われる。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-686
【指定番号】00165-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】大手鑑〈第一帖百三十九葉/第二帖百六十八葉〉
【ふりがな】おおてかがみ
【員数】2帖
【国】日本
【時代・年】奈良~室町時代
【所有者】陽明文庫
【国宝指定日】1953.03.31

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

鑑賞ログ

2019年2月

東京国立博物館「顔真卿展」
出品リストで「李嶠雑詠断簡 伝嵯峨天皇筆」となっていて、その名前の国宝はないので調べたら、『大手鑑』の一部でした。 大手鑑は本当に大きくて(縦45cm×横60cmほど)嵯峨天皇の筆は右に貼られ、その横には後鳥羽院の筆跡が3点並んでいました。 全てヘリのような布で縁どられています。
この部分は、三筆の1人嵯峨天皇が「李嶠雑詠」の一部を写したものだそうです。 空海と同じような書法で、唐時代の筆跡に強く影響を受けていたという展示でした。

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