国宝『古今和歌集 巻第十二残巻(本阿弥切本)』
古今和歌集の巻子本(巻物)で、本来は全20巻と序巻の21巻で構成されるが、10~12・14・16~18巻の7巻が現存する。 当初の姿をとどめる巻はなく、この12巻と宮内庁三の丸尚蔵館にある2巻が比較的まとまっており、他は断簡として各所に散らばる。 江戸時代初期に、数巻を本阿弥光悦が所蔵したので、それ以外のものもまとめて「本阿弥切」と呼ばれ、江戸時代には酒井家の所蔵となる。
幅(上下)16cmほどの小型の唐紙に、雲母で夾竹桃の模様を摺り料紙としている。 伝承筆者は、平安時代前~中期の公家で、能書家で三跡の1人「小野道風」だが、実際はもう少し後の平安時代末期に書写されたと考えられる。
この国宝を観るには
所蔵館の京都国立博物館での展覧会に出展されることがある。
公開履歴
2023/10/11~11/5 東京国立博物館「やまと絵」
2019/10/12~11/24 京都国立博物館「佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-766
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00258-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】古今和歌集巻第十二残巻(本阿弥切本)
【ふりがな】こきんわかしゅうまきだいじゅうにざんかん
【員数】1巻
【国】日本
【時代・年】平安時代
【所在地】京都国立博物館
【国宝指定日】1967.06.15
【説明】本阿弥光悦【ほんあみこうえつ】の所蔵にかかるところから本阿弥切【ぎれ】と呼ばれるこの一連の断簡は、上代仮名の優品として古来いたく珍重されてきた。夾竹桃文様【きようちくとうもんよう】の美しい雲丹刷【きらず】りの唐紙に、流麗な仮名書で筆写され、八枚継ぎの巻子【かんず】装は原形に近く、巻第十二のほぼ全文を伝えて貴重である。