古文尚書とは
「尚書」は「書経」とも呼ばれ、四書五経の五経の1つにも数えられる。 中国の歴史を記したものを、孔子が編纂したといわれる。 儒教の重要な経典の1つにも数えられる。 昭和や平成をはじめ、日本の元号のいくつかはこの書から採用された。
秦の始皇帝による焚書(思想弾圧で書が燃やされた)によってオリジナルは失われ、現在伝わるものは「古文尚書」と「今文尚書」がある。 古文尚書は、孔子の旧宅を壊した時に発見されたもので、古い文体で書かれていたのでこの名で呼ばれる。 古文尚書もすでに失われており、現在残るのは「偽古文尚書」だともされている。
国宝『古文尚書』
東京国立博物館が所蔵する『古文尚書』は、唐時代に書写されたものだと考えられている。 文中には、平安時代に加えられたと思われる訓点が朱で入り、裏には鎌倉時代に書かれた元号に関する研究が書き込まれている。 この書き込みは東洋文庫所蔵のものと宮内庁所蔵のものにも書かれており、元は一連だったと思われる。
この国宝を観るには
2023/10/31~11/26 東京国立博物館 東洋館
2022/10/18~11/13・12/13~18 東京国立博物館 150周年「国宝 東京国立博物館のすべて」
2019/1/16~2/3 東京国立博物館「顔真卿 王羲之を超えた名筆」
2017/10/17~12/10 東京国立博物館 東洋館
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-769
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00264-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】古文尚書〈巻第六/〉
【ふりがな】こぶんしょうしょ
【員数】1巻
【国】中国
【時代・年】唐時代
【ト書】紙背元秘抄
【所在地】東京国立博物館
【国宝指定日】1970.05.25
※このページの画像は「研究情報アーカイブズ」のものを使用しています。
鑑賞ログ
2019年2月
顔真卿展/東博
顔真卿展の唐時代前半の形式的な楷書のコーナーで観ました。 世説新書などは現代の印刷物のようにキッチリ書かれていましたが、これはやや筆の線にメリハリが入る感じ。