国宝『弘法大師請来目録』伝教大師最澄筆
空海は、延暦23年(804年)から20年間の予定で、遣唐使船で唐への留学に出発したが、わずか2年で師の恵果から密教の奥義を伝授され、大同元年(806年)に日本に戻る。 帰国時には、師から贈られた仏舎利や仏具、唐で求めたり書写した経典類など、数多くの請来品を日本にもたらした。 その内容は「請来目録」にリスト化し、朝廷に報告されている。
筆跡は、空海と同じ回の遣唐使で唐への短期留学をした「伝教大師最澄」のもので、最澄が、空海の書いた請来目録を写したと考えられる。 紙の継ぎ目に、延暦寺の旧名である「比叡寺」の印があり、長く延暦寺に伝わったものだが、暦応4年(1341年)に東寺に納められた。 その際の寄進状が、附として国宝に指定されている。
この国宝を観るには
当時には、春と秋だけ開かれる宝物館があるが、国宝は毎回数点ずつの出展で、この請来目録はほとんど公開されない。 博物館などでの展覧会で公開される場合がある。
公開履歴
2024/8/14~9/8 東京国立博物館「神護寺-空海と真言密教のはじまり」
2024/4/13~5/12 奈良国立博物館「空海 KUKAI」
2022/5/3~5/22 京都国立博物館「最澄と天台宗のすべて」
2022/3/1~3/21 九州国立博物館「最澄と天台宗のすべて」
2019/3/26~4/21 東京国立博物館「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」
2017/10/17~10/29 京都国立博物館「国宝展」
2011/7/20~8/21 東京国立博物館 「空海と密教美術」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-810
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00036-00
【種別】古文書
【指定名称】弘法大師請来目録〈伝教大師筆/〉
【ふりがな】こうぼうだいししょうらいもくろく
【員数】1巻
【国】日本
【時代・年】平安時代
【作者】伝教大師
【附指定】暦応四年六月廿一日寄進状1通
【所有者】教王護国寺
【国宝指定日】1951.06.09