国宝『夜色楼台図』
日本の文人画(画家ではない文人が描いたもので南画とも言われる)の与謝蕪村によるもので、雪景色の町並みを描いている。 水墨画をベースに、淡い色彩が乗せられる「墨画淡彩」で描かれる。
巻物のような横長だが掛け軸になっており、夜空の黒と雪の白に窓にはやや暖かみのある薄ベージュのような色が使われている。 墨の濃淡で表現された夜空には胡粉が使われている。 ところどころに画題の由来にもなった「楼台」=二階建ての建物があり、暖かみが際立って見える。
与謝蕪村の絵画では他に、池大雅と描いた『十便図十宜図』が国宝に指定されている。
この国宝を観るには
現在は個人蔵となっており、美術館などでの特別展に出展されることがあるが、展示期間が1~2週間程度と短いことが多い。
公開履歴
2022/3/23~4/3 京都国立近代美術館「サロン!雅と俗」
2022/1/18~1/30 名古屋市博物館「大雅と蕪村―文人画の大成者」
2021/9/7~9/12 京都国立博物館「京の国宝」
2019/8/14~9/16 京都国立博物館「京博寄託の名宝展」
2018/11/3~11/18 出光美術館「江戸絵画の文雅」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-2458
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00158-00
【指定名称】紙本墨画淡彩夜色楼台図〈与謝蕪村筆/〉
【員数】1幅
【国・時代】日本・江戸時代
【作者】与謝蕪村
【所在地】兵庫県
【所有者】個人蔵
【国宝指定日】2009.07.10
【解説】蕪村(1716~1783)は、大雅と共に日本南画の大成者として名高い。本図は最晩年の作とみられ、大胆な墨の技法による暗い夜空と雪に白く浮かぶ連山や家並との対照などは新鮮な感覚にあふれ、「夜色楼〓雪萬家」の詩意が見事に表現されている