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情報|京都国立博物館「観心寺と金剛寺」7/30~9/11

情報-博物館・美術館

観心寺と金剛寺 -真言密教と南朝の遺産-

南大阪にある観心寺と金剛寺は、どちらも真言宗の古刹で、空海に関する逸話があったり、南朝方の天皇の行宮(あんぐう=仮の天皇の住まい、仮の御所)になったりしています。 両寺とも最盛期よりもかなり規模は小さくなってはいますが、それでも往時を偲ばせる伽藍や文化財が多く残っています。

今回は、京都国立博物館で行った調査結果を発表する展覧会だそうで、「真言密教の道場」「南朝勢力の拠点」「河内長野の霊地」と、大きな歴史の流れに沿った3部構成になっています。 学芸員の方による講演会も多くあるので、今回の調査による新しい発見や情報が聞けそうで魅力的ですね。

観心寺と金剛寺は、どちらも本尊の仏像が国宝に指定されていて、しかもどちらも秘仏なので、ご開帳の時に行かないと拝観できません。 金剛寺の国宝本尊『大日如来三尊』は、何年か前まで京都と奈良の国立博物館に寄託されていたので間近で観ることができましたが、金堂の修理で戻られましたので、現在は春秋の数日ずつしか御開帳されません。 それでも金剛寺は連休付近なのでスケジュール調整しやすいですが、観心寺の空海作という伝承のある国宝本尊『如意輪観音』は、4/17・18の2日間のみなので、拝観難易度が高めの国宝仏像です。 この展覧会にお出ましになられるかと思ったら、残念ながら出開帳はありませんでした。 それでも、公開頻度の少ない国宝が何点か出ますので、見逃せない展覧会です。

京都国立博物館「観心寺と金剛寺」チラシ

観心寺のこと

大宝元年(701年)に役行者によって開かれ、大同3年(808年)には帰国して数年の空海が訪れ北斗七星を勧請し、現在でも星塚めぐりができます。 空海はその後も訪れ、本尊の如意輪観音坐像は空海が刻んだものとする伝承があり、空海の弟子の実恵とその弟子の時代にかけて伽藍が整えられました。 中世には楠木氏の菩提寺となり南朝とも縁が深く、後醍醐天皇の皇子で南朝2代天皇の後村上天皇が行宮とした時期があり、境内には後村上天皇の陵や、楠木正成の首塚が残っています。

観心寺の国宝(★は今回公開されます)

金堂[建造物]★(附の棟札)
如意輪観音坐像[彫刻]
観心寺縁起資財帳[古文書]★

観心寺 国宝『金堂』

金剛寺のこと

聖武天皇の命によって行基が開き、空海が修行したと伝わる真言宗の古刹です。 一時は荒廃しますが、後白河法皇とその妹の八条女院の庇護を受けて伽藍が再興され、その後も織田や豊臣など有力者の庇護を受け、多くの文化財や寺宝が現在に伝わっています。 空海をまつる御影堂に女性も参拝できたので「女人高野」とも呼ばれました。 後醍醐天皇の皇子で次代の後村上天皇は金剛寺を行宮とし、6年の間をこの地で過ごしました。

金剛寺の国宝(★は今回公開されます)

延喜式 神名帳[書跡・典籍]★
延喜式 巻第12残巻・第14・第16[書跡・典籍]
剣 無銘(三鈷剣)[工芸品]★
大日如来坐像・不動・降三世明王坐像[彫刻]
日月四季山水図屏風[絵画]★

金剛寺

この展覧会で観られる国宝

日月四季山水図屏風[金剛寺/大阪]

2018年に指定された新しい国宝で、作者や制作された背景などは不明ですが、仏教の儀式「灌頂(かんじょう)」で使われたと考えられる屏風です。 描かれたのは室町時代頃とされていますが、山の形や波の様子などは、琳派にも通じるモダンな印象を受けます。 屏風の右隻は春と夏の景色に金色の太陽、左隻には秋と冬の景色に銀色の月が配されています。

剣 無銘(三鈷剣)[金剛寺/大阪]

平安時代末期に金剛寺を中興した阿観上人の所用だと言い伝えられる剣で、手に持つ柄(つか)の部分が仏教で使う法具の「三鈷」の形をしていて、不動明王の持っている剣のようです。 一般的な日本刀とは異なり、反りがなく真っ直ぐに伸びる「直刀」で、その両側が刃になっている珍しいものです。

延喜式神名帳[金剛寺/大阪]

古代の法律「律令」は教科書に出てきて聞き覚えがあると思いますが、律令をさらに細かく定めたのが「式」で、延喜の帝とも称される醍醐天皇の御代で元号が「縁起」の時に制定されたのが「延喜式」です。 全50巻の延喜式の内、1~10巻は神事や神社に関する事が書かれているので「神名帳」と呼ばれ、こちらは大治2年(1127年)書写された現存最古の延喜式神名帳です。

観心寺縁起資財帳[観心寺/大阪]

名前の通り、観心寺の所縁や歴史を記す「縁起」と、寺宝や寺領について記された「資財帳」で構成されるものです。 資材帳が作られたのは元慶7年(883年)で、天長4年(827年)に建立され、貞観11年(869年)に清和天皇の勅願寺になりますので、観心寺の最盛期を記録したものという事になるでしょうか。 ちょっと地味かもしれませんが、公開される機会が少ないので、レア度高めの国宝です。

観心寺 金堂 の附指定「棟札」

国宝には「附(つけたり)」というものがあって、後世に後補されたものや古い建築部材などが、いわば「おまけ」のような形で文化財に指定されます。 観心寺の本堂である「金堂」は、後醍醐天皇が楠木正成を奉行に任命して作らせたもので、完成したのは天皇の崩御後でした。 この金堂には慶長18年の「棟札」1枚が附指定されていて、今回はこの棟札が展示されるようです。

展覧会 概要

日程:2022/7/30~9/11
休館:月曜日
時間:9:00~17:30(入館は30分前まで)金・土は20時閉館
料金:一般¥1,200、大学生¥600、高校生¥300、中学生以下無料

京都国立博物館 公式サイト


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