国宝『煙寺晩鐘図』伝牧谿筆
牧谿(もっけい)は、中国南宋~元時代の水墨画を得意とした画僧で、中国での評価はそれほど高くなかったが、入唐僧や渡来僧が日本にもたらし、唐物の流行もあり非常に珍重された。 足利義満の所有を示す「鑑蔵印」の1つである「道有(どうゆう)」が押される東山御物である。
この「煙寺晩鐘」は、中国湖南省の景勝地を8つの画題とする「瀟湘八景」の内の1つで、元は根津美術館の国宝『漁村夕照図』、出光美術館の重要文化財「平沙落雁図」、京都国立博物館の重要文化財「遠浦帰帆図」などと1巻であったと考えられている。
この国宝を観るには
2019年3月から施設の改築工事で休館中の畠山記念館では、所蔵品を中心とした展覧会が季節ごとに開かれ、それほど機会は多くないが何年かに1度は観ることができる。
公開履歴
2024/10/5~11/4 荏原畠山美術館「與衆愛玩—共に楽しむ」
2022/10/8~11/6 京都国立博物館「京に生きる文化-茶の湯-」
2021/11/9~12/5 京都国立博物館「畠山記念館の名品」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-102
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00099-00
【種別】絵画
【指定名称】紙本墨画煙寺晩鐘図〈伝牧谿筆/〉
【員数】1幅
【国】中国
【時代・年】南宋時代
【作者】伝牧谿
【品質・形状】
【ト書】「道有」の鑑蔵印がある
【所有者】畠山記念館
【国宝指定日】1954.03.20