国宝『宝相華蒔絵経箱』
中国・随時代の僧、天台大師智顗(ちぎ)が書いたという伝説のある法華経を納めた蒔絵の経箱で、宝相華と唐草で描いた大きな円模様を各面に1~2つ配置している。 作られたのは平安後期頃だと考えられるが、上部の角をとる様式などは7~8世紀頃の様式を取り入れている。 延暦寺には、横川から出土した中宮彰子ゆかりの国宝『金銀鍍宝相華文経箱』があるが、この蒔絵経箱は簡略化された模様などから、やや時代が下がると考えられる。
この国宝を観るには
公開されることが少なく、ごくまれに延暦寺の国宝殿で公開されたり、国立博物館などでの特別展に出展されることがある。
公開履歴
2024/11/2~12/1 比叡山 国宝殿「比叡山と平安京」
2023/5/9~5/28 徳川美術館「大蒔絵展」
2022/11/1~12/4 延暦寺 霊宝殿「比叡の霊宝」
2022/4/12~5/22 京都国立博物館「最澄と天台宗のすべて」
2017/10/31~11/29 京都国立博物館「国宝展」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-506
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00210-00
【種別】工芸品
【指定名称】宝相華蒔絵経箱
【ふりがな】ほうそうげまきえきょうばこ
【員数】1合
【国】日本
【時代・年】平安時代
【寸法・重量】縦33.0cm、横20.3cm、高17.0cm
【品質・形状】僅かに甲盛のある蓋に削面をとり、錫の置口を付した箱。外部は黒漆平塵地に大きく宝相華唐草の円文を研ぎ出し、華と円輪は金蒔、葉と蔓は銀蒔とする。
【所有者】延暦寺
【重文指定日】1900.04.07
【国宝指定日】1957.02.19
【説明】唐草文様ながら流麗な筆致に富み、その構成も優れており、平安時代における代表的な蒔絵経箱である。