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情報|神奈川県立金沢文庫「金沢文庫の肖像」2023/3/31~5/21[神奈川]

情報-博物館・美術館

金沢北条氏と金沢文庫のこと

現在は神奈川県立になっている「金沢文庫」は、金沢流北条氏が邸宅内に設立した日本初の武家の文庫です。 金沢北条氏は昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の北条義時(小栗旬)の孫にあたる北条実時が家祖で、その子の顕時、その子の貞顕、その子の貞将まで直系で続きます。 貞顕・貞将父子が新田義貞の軍に攻められ、ほかの北条一族と共に東勝寺で最期を遂げ、金沢北条氏は滅亡しました。

トンネルを抜けて隣にある称名寺は、金沢北条氏が邸宅内に建立した持仏堂から発展した寺で、金沢北条氏の菩提寺でした。 鎌倉幕府の終焉とともに金沢北条氏が滅亡すると、金沢文庫は近代に至るまで称名寺の管轄下におかれますが、この時期に少なくない貴重な文書類が外部に流出してしまいます。 博物館などで金沢文庫の印を押した「金沢文庫本」と呼ばれる古典籍を見かけることも多くあるのは、このような時期に流出したのかもしれません。

昭和5年には神奈川県の管理下に置かれ、現在では博物館も併設して貴重な文書類の研究や展示を行っています。

称名寺 浄土庭園
称名寺 仁王門

金沢北条氏 系図

時政(1)-義時(2)-実泰-実時-顕時-貞顕(15)-貞将
※(カッコ)内の数字は執権の代数

金沢文庫の肖像 展

金沢文庫に隣接する称名寺には5件の国宝があり、2万点を超える文書類は「称名寺聖教/金沢文庫文書」という1件の国宝としてまとめられ、4幅の肖像画はそれぞれ1件ずつ国宝に指定されています。 この数年は、いつ中止になるか分からない、密になっても困るということで、博物館美術館では目玉の所蔵品を出し控えていた雰囲気でしたが、今年あたりは大規模な展覧会が増えてきそうです。 金沢文庫でも、国宝の肖像画4幅すべてを同時公開という大盤振る舞いでうれしい限り。 もう1件の国宝『称名寺聖教/金沢文庫文書』からも複数の資料が公開されますので、見逃せない展示になりそうです。

神奈川県立金沢文庫「金沢文庫の肖像」チラシより

この展覧会で観られる国宝

四将像[称名寺/神奈川]

3/31~5/7 北条実時像・金沢貞顕像
4/14~5/21 北条顕時像・金沢貞将像
※4/14~5/7は4幅同時公開

金沢流北条氏の家祖「実時」から4代にわたる当主の肖像画で「四将像」の名前で知られています。 鎌倉時代に流行した「似せ絵」という写実的な技法で描かれていて、生々しい人間らしさが感じられる肖像画の名品です。 実時と顕時は出家した姿で、貞顕と貞将は烏帽子に狩衣をまとっており、いずれも生存していた頃に近い時期に制作されたと考えられているようです。 2幅がセットで1ヶ月ちょっとずつ公開され、嬉しいことにGWを含む4/14~5/7は4幅が同時に公開されるようです。

称名寺聖教/金沢文庫文書[称名寺/神奈川]

称名寺と金沢文庫に伝わる平安~明治時代までの経典類や古文書など、その数2万を超える文書類が「称名寺聖教/金沢文庫文書」という名称で1件の国宝として文化財指定されています。 金沢文庫の展覧会ではかなりの頻度で登場しますが、テーマに沿って様々な資料が公開されるので、何度行っても楽しいのです。

展覧会 概要

期間:2023/3/31~5/21
時間:9:00~16:30(入館は30分前まで)
休館:月曜日(5/1は開館)
料金:一般¥500、20歳未満と学生¥400、65歳以上¥200、高校生¥100、中学生以下無料

神奈川県立金沢文庫 公式サイト

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