国宝『島根県荒神谷遺跡出土品』
昭和58年(1983年)に、道路工事のための遺跡調査で調査員が土器の破片を拾い、発掘調査をすると整然と並べられた358本の銅剣が発掘された。 2年後の1985年には、7mほど離れた場所から銅鐸6個と銅矛16本も発見される。
金属の成分は、銅にすずや鉛が少量混ぜられている。 銅剣は長さ50cmほどの両刃で、刃を上下に向けて4列に並べられていた。 銅矛は刃先が交互になるように並べられ、銅鐸は縁の部分が上下になるように、3つずつが上部をあわせるように横にされていた。
銅剣358本のうち344本に「×」の刻印が刻まれており、これは加茂岩倉遺跡から出土した国宝『銅鐸』39個のうち14個にも刻まれているが、それ以外の地域からの出土品にはみられないもの。 何の意味を持つかは諸説ある。
国宝指定の内容
銅剣 358口
銅矛 16口
横帯文銅鐸 1口
袈裟襷文銅鐸 5口
国宝が出土した場所
特別展などを除き、荒神谷遺跡・荒神谷博物館には国宝の現物は展示されていない。 遺跡には、レプリカが発見時のように展示されている。
この国宝を観るには
出雲大社の近くにある「島根県立古代出雲歴史博物館」で常設展示されている。 内容の一部は、研究修復や・他館への貸出をする場合もある。
館外での公開
2022/7/16~8/29 荒神谷博物館「海峡を越えて」
2022/4/23~6/19 橿原考古学研究所「八雲立つ出雲の至宝」
2020/1/15~3/8 東京国立博物館「出雲と大和」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-10024
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00038-00
【種別】考古資料
【指定名称】島根県荒神谷遺跡出土品
【ふりがな】しまねけんこうじんだにいせきしゅつどひん
【員数】1括
【時代・年】弥生時代
【所在地】島根県立古代出雲歴史博物館
【所有者】文化庁(国)
【国宝指定日】1998.06.30
【説明】本件は、島根県簸川郡斐川町神庭に所在する荒神谷遺跡から出土した青銅器の一括である。銅剣は三五八口を西側から三四口、一一一口、一二〇口、九三口の四列に分け、整然と刃を立てた状態で並べられていた。銅矛一六口は斜面に平行方向に刃を立てた状態で、かつそれぞれの切先と基部を交互にして埋置されていた。銅鐸は銅矛の西側に接し、三口ずつが鈕を向かい合わせるように二列にして、かつ鰭を立てた状態で埋置されていた。