国宝『薙刀 銘 備前国長船住人長光造』
鎌倉中期の備前長船派の刀工「長光」による薙刀(長刀)で、長光の刀剣は本作の他に5口の太刀が国宝に指定されている。 長光は銘のある太刀を多く残しており、銘にはいくつかのパターンがあるが、本作には「備前国長船住人長光造」と名前と在所が彫られている。
薙刀は、実戦で使われ消耗されているので、鎌倉時代の名品が現存するのは珍しい。 津山藩主の松平家に伝来したもので、現在は静岡県三島市の佐野美術館が所蔵する。
この国宝を観るには
所蔵館の佐野美術館で、年に1回程度は公開される。 佐野美術館は、毎年1月前後に刀剣の特別展を開くことが多いが、そこに出展されない場合もある。
公開履歴
2025/1/7~2/16 佐野美術館「名刀ズラリ」
2024/8/10~9/29 佐野美術館 常設展「渡邉妙子前理事長を偲んで」
2023/1/7~2/12 佐野美術館「乱世を駆け抜けた名刀」
2022/1/8~2/13 佐野美術館「名刀百花」
2020/1/7~2/16 佐野美術館「名刀への道」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-505
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00209-00
【指定名称】薙刀〈銘備前国長船住人長光造/〉
【ふりがな】なぎなた〈めいびぜんのくにおさふねじゅうにんながみつぞう〉
【員数】1口
【時代・年】鎌倉時代
【作者】備前国長船住人長光
【寸法・重量】身長43.3cm、反1.8cm、元幅3.2cm、茎長63.6cm
【品質・形状】薙刀造、三ッ棟、頭張らず反は浅い。鍛え小板目よく約み、乱れ映え立ち地景入る。刃文逆がかった丁字、互の目交じり、小足、葉頻りに入り、匂深く冴える。
【所有者】佐野美術館
【国宝指定日】1957.02.19
【説明】備前長船初代長光の作である。この工に限らず、現存する鎌倉時代の薙刀は極めて少ない。また、本薙刀に見られるような地刃の出来が優れ、かつ健全で、生ぶ茎有銘の作は稀有である。