国宝 一遍聖絵と時宗の名宝展
時宗は、鎌倉時代に全国を行脚「遊行」して念仏を広めた一遍上人が開祖とされ、一遍上人の没後に教団の形を整えた真教上人が二祖とされています。 2019年は真教上人の700年忌にあたり、この特別展が企画されたようです。
この企画展の目玉は、国宝に指定されている『一遍聖絵』絵巻12巻が全巻公開されることでしょう。 清浄光寺(遊行寺)が所有する12巻のうち7巻だけは後補で、オリジナルは東京国立博物館が所蔵していますが、これらが同時に公開されるようです。 なかなか貴重な機会になりそうです。
この展覧会で観られる国宝
一遍上人絵伝 法眼円伊筆[清浄光寺(遊行寺)/神奈川]
『一遍上人絵伝』や『一遍聖絵』などと呼ばれるもので、一遍上人亡き後に弟子の「聖戒」が詞書を、法眼の位の画僧「円伊」が画を描いた、12巻にわたる一遍上人の絵伝。
紙を使うことが多い絵巻ですが、本品は絹に描かれています。 一遍上人の伝記ですが、遊行として全国を行脚した一遍上人の足跡を描いていて、各地の名所旧跡が丁寧に描かれているので、当時の風俗や歴史資料としても評価が高いものです。
一遍上人絵伝 巻第七 法眼円伊筆[東京国立博物館]
京都の歓喜光寺から現在の所有者である清浄光寺(遊行寺)に伝わった絵巻ですが、江戸時代に第7巻だけが流出してしまい、一時は実業家の原三渓等の手を経て現在は東京国立博物館の所蔵品となっています。 この巻には近江の関寺から京都洛中の場面が描かれているようです。
洛中洛外図屏風(舟木本)右隻 岩佐又兵衛筆[東京国立博物館]
2016年に国宝に指定された洛中洛外図屏風で、江戸初期の洛中を描いている。 それまでは岩佐又兵衛の工房で描かれたとも、岩佐又兵衛本人の作であるともいわれている。
その他の出展品
※下記は全て重要文化財
阿弥陀如来立像[知恩院/京都]
二河白道図[萬福寺/島根]
遊行上人縁起絵[真光寺/兵庫]
真教上人書状[長楽寺/京都]
真教上人坐像[蓮台寺/神奈川]
後醍醐天皇像[清浄光寺(遊行寺)/神奈川]
薄鶉蒔絵文台[金蓮寺/京都]
阿弥陀如来立像[阿弥陀寺/滋賀]
展覧会 概要
会場:京都国立博物館 平成知新館
期間:2019/4/13~6/9
休日:毎月曜日(祝日の場合は営業し翌火曜が休み)
時間:9:30~18:00(入館は30分前まで)
夜間:金・土は20時まで延長(入館は30分前まで)
料金:大人¥1,500、大学生¥1,200、高校生¥900
京都国立博物館 公式サイト
鑑賞ログ
東京国立博物館所蔵品の画像は「研究情報アーカイブズ」のものを使用しています。