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情報|石川県立美術館「皇居三の丸尚蔵館名品展」2023/10/14~11/26[石川]

情報-博物館・美術館

皇居三の丸尚蔵館名品 展

毎年秋に開かれる「国民文化祭」は、少し前に両陛下ご臨席のニュースがあったので、今年は石川県で開かれるのをご存じの方も多いと思います。 文化庁が自治体と共催する国民みんなの文化祭で、様々なイベントがある中、目玉の1つがこの「皇室と石川」展です。

皇室に伝わる文化財の一部は三の丸尚蔵館が管理していて、2021年からは国宝に指定されるようになりました。 その前はというと、宮内庁がしっかり管理しているものだから、文化財の指定による保護は必要ないという事で、国宝に指定されていなかったんです。 2021年に5件、2022年に3件が国宝に指定され、この展覧会では前後期あわせてその内の4件が公開されます。

そして石川県ならではと言えるのが、前田家伝来の文化財が多数公開されることです。 前田家に伝わった品々は前田育徳会という団体が管理していますが、所在地の東京には展示施設が無く、金沢の成巽閣や石川県立美術館で公開されるか、他館の展覧会に貸し出されるかで、観るチャンスがとても少ないんです。 文武両道を誇る前田家の名宝から、刀剣1振と書の名品2点が公開されるのが話題です。 

この展覧会で観られる国宝

前述の通り、この展覧会の面白いところは、御物と前田家の国宝が並ぶところです。 特に書の名品が見もので、前期には明治時代に前田家が皇室に献上した万葉集と前田家に残していた万葉集(共に国宝)が再開を果たします。 そして後期には、書聖と呼ばれる王義之の書を唐時代に写した模本が、三の丸尚蔵館と前田育徳会から1点ずつ出展されます。 唐時代までさかのぼる精巧な模本は、世界でも数点を数えるのみという王義之の書2点が並ぶのですから、中華圏の方にとっても大ニュースなのではないでしょうか。

期間を通して公開される国宝は、三の丸尚蔵館からの絵画2件で、1つは春日大社の霊験を絵巻物にした春日権現験記絵で、宮中の絵画を担当する部門のトップ「絵所預」にあった高階隆兼という絵師によって描かれたものです。 鎌倉時代の作品ですが20巻が現存するので、東博のやまと絵展や三の丸尚蔵館の再オープンでも公開されています。 もう1つの絵画は伊藤若冲で、相国寺の釈迦三尊像を荘厳するために描かれた動物や植物の30枚の絵画です。 前後期で2点ずつ公開され、どちらの期間も若冲と言えばの鶏の絵が選ばれているようです。 そういえば、相国寺美術館でこの若冲筆の釈迦三尊像と複製の動植綵絵が公開されているんですよ、これも観てみたいものです。

石川側からの通期参加は、毎年こちらで公開される白山比咩神社の国宝刀剣『白山吉光』です。 毎年とはいっても公開されるのは1ヶ月前後ですので、この機会に公開して下さるのはありがたいです。 前田育徳会からは、名工正宗の刀で『太郎作正宗』と呼ばれる名物の刀が出展されます。 こちらは徳川将軍家の所有だったものを、家光の養女が前田家に嫁ぐ際に婿引出として贈られたという由緒ある名刀です。

通期

国宝『春日権現験記絵(高階隆兼筆)』[三の丸尚蔵館/東京]前後期で展示替えあり
国宝『動植綵絵(伊藤若冲筆)』[三の丸尚蔵館/東京]
   前期:群鶏図、薔薇小禽図  後期:大鶏雌雄図、牡丹小禽図
国宝『刀 無銘正宗(名物 太郎作正宗)』[前田育徳会/東京]
国宝『剣 銘 吉光(白山吉光)』[白山比咩神社/石川]

前期(10/14~11/5)

国宝『万葉集(金沢万葉)』[三の丸尚蔵館/東京]
国宝『万葉集(金沢万葉)』[前田育徳会/東京]

後期(11/7~11/26)

国宝『喪乱帖(原跡王羲之)』[三の丸尚蔵館/東京]
国宝『搨王義之書(孔侍中帖)』[前田育徳会/東京]

同時期に金沢で観られる国宝

石川県立美術館には通常展もあり、そちらでは京焼を大成した陶工といわれる野々村仁清の国宝香炉が常設展示されています。 この雉をかたどった香炉は、羽根の色が美しい雄が国宝に指定されていて、色合いが渋い雌は重要文化財なんですが、番で仲良く展示されています。

そしてこの美術館には、前田家の書画や美術品を納める尊經閣文庫の分館があり、テーマによって前田育徳会の所有する美術品が公開されます。 展覧会と同じ期間に、これも公開されることの少ない国宝の高野切と呼ばれる和歌集が公開されますので、こちらも忘れずにご覧ください。

今回の展覧会は、石川県立美術館と隣にある国立工芸館と共通券になっていますが、更にその隣にある石川県立歴史博物館では「御殿の美」という展覧会が開かれていて、城郭の障壁画やその下絵と共に、二条城二の丸御殿の釘隠が公開されます。 釘隠は柱などに打たれた釘にかぶせる金具で、様々な意匠が凝らされて、よく見るととても面白いんです。 国宝建築のごくごく一部ですが、現地ではなかなか注目しづらいパーツですので、面白い展示内容だと思います。

石川県立美術館 尊經閣文庫分館・名品コレクション(通常展)

通年(名品コレクション)
国宝『色絵雉香炉』仁清作

9/16~11/26(尊經閣文庫分館)
国宝『古今集巻第十九残巻(高野切)』[前田育徳会/東京]

石川県立歴史博物館「御殿の美」10/14~11/26

国宝『二条城 二の丸御殿』の「釘隠」[京都市]

展覧会 概要

期間:2023/10/14~11/26
休館:11/6(月)のみ
時間:9:30~18:00(入館は30分前まで)
料金:⼀般¥1,500、⼤学⽣¥1,000(石川県立美術館と国立工芸館の2館共通)

石川県立美術館 公式サイト
展覧会 特設サイト

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