金沢文庫のこと
横浜市の南部にある「金沢文庫」は、京急電鉄の駅名にもなっているので、関東地方の方にはお馴染みの名前です。 「文庫」というのは現代の図書館と博物館を兼ねたようなもので、武家や公家が邸宅内に作り、近代になると実業家も作るようになり、博物館や美術館として残っている文庫も多くあります。
金沢文庫は鎌倉幕府の執権を務めた北条氏の一族「金沢北条氏」が作った、日本最古の文庫です。 鎌倉幕府終焉後も北条氏の菩提寺で隣接していた「称名寺」が管理をし、現在は神奈川県が管理して、年に6回ほどの企画展を開いています。
特別展「浄土宗七祖聖冏と関東浄土教」-常福寺の名宝を中心に-
法然が開いた「浄土宗」の第七祖として、関東を中心に活躍した「聖冏(しょうげい)」は、1420年に没したので、今年は遠忌600年となります。 サブタイトルに入っている「常福寺」は常陸国(茨城県)の寺で、常陸生まれの聖冏が出家した寺でもあります。 聖冏はここを拠点に多くの弟子を育て、晩年には江戸の小石川傳通院を創建しています。
今回の企画展では、常福寺から数多くの文化財が出展されるほか、聖冏ゆかりの傳通院や増上寺からの出展や、国宝『称名寺聖教/金沢文庫文書』からも浄土宗に関する資料が出展されます。 法然上人の伝記絵巻や浄土宗らしい阿弥陀如来像や、浄土宗だった徳川家ゆかりの宝物類も出るようです。
この展覧会で観られる国宝
国宝『称名寺聖教/金沢文庫文書』から
「念仏往生伝」
「浄土三部経大意」
「伝法絵略記抄」
「観経玄義分聴聞抄」
「弥陀本願義」
「浄土宗要肝心集」巻上
「定善義聞書」
「諸行本願義」
「往生要集釈」
「天地麗気記」降臨次第麗気記
「阿弥陀経」
「釼阿詠浅草寺詩」
同時開催 特別公開 国宝『文選集注』
文選集注は、中国で重要視された文書のテキストで、中国ではすでに失われてしまい日本にしかありません。 称名寺が所有する国宝と、東洋文庫の国宝(元は称名寺所蔵)のみで、平安時代頃に日本で書写された貴重な品を公開して頂けます。 こちらは9/16まで展示されるようです。
展覧会 概要
日程:5/17~7/15
休日:毎月曜日(7/15は開館)
時間:9:00~16:30(受付は30分前)
料金:20歳以上¥600、20歳未満・学生¥500、65歳以上¥200、高校生¥100
交通:京急「金沢文庫駅」徒歩約12分、シーサイドライン「海の公園南口駅」徒歩約15分
金沢文庫 公式サイト