仁和寺観音堂
仁和寺の観音堂が最初に作られたのは、仁和寺の創建から40年ほど後の延長6年(928年)ですが、幾度も焼失しています。 現在の建物は、1640年頃に徳川幕府の支援で伽藍が再興された時のものです。 千手観音とその眷属である二十八部衆をまつっており、内部の壁や須弥壇の両面壁は観音の壁画で埋め尽くされています。
修復落慶 特別内拝
6年にわたる修復を終えて、中に安置された仏像や、今回が一般には初公開となる壁画が公開されています。 春期特別公開、京の夏の旅と続き、今回の秋期特別公開で長く続いた特別公開期間も終了です。 次はいつ公開されるかわかりませんので、とりあえず一度は観ておく事をお勧めします。
内陣須弥壇
本尊 千手観音
脇侍 降三世明王・不動明王
風神・雷神
二十八部衆(左右に14躯ずつ)
観音障壁画
須弥壇の後壁の表裏と、内陣より奥の壁面は、全て観音の障壁画で彩られています。 東西の2面と北の4面には各4躯の観音が描かれ、須弥壇正面壁の中尊をあわせて三十三観音になります。 須弥壇裏壁は、下段に六道図が、上段にはその六道に対応する観音像が描かれています。
拝観記念品
今回は特別公開ということで、観音堂だけで¥1,000と少しお高めな料金設定ですが、こういった記念品が頂けます。 ポストカード・千手観音散華・千手観音御符で、写真入りのA4袋で下さるので、あちこちで袋をぶら下げた方に会います。 高校生以下は「次世代への文化支援」ということで無料で拝観できるようですよ。
特別公開 概要
期間:2019/9/7~11/24
休日:法要などにより拝観不可の時間帯あり
時間:9:30~16:30(受付は30分前まで)
料金:一般¥1,000、高校生以下無料
鑑賞ログ
2019年10月
上野の東京国立博物館での特別展で知って以来、特別公開があったらぜひ拝観したいと思っていましたが、やっと来られました。
僧侶の方の説明が入るので、5~10分毎に100程度でしょうか、まとまって入城します。 内陣には入れないので、外陣からの拝観ですが、横はかなり近いところで二十八部衆を観ることができます。 僧侶の方が、説明の最後に「ぜひ仏様に手を合わせていって下さい」と仰っていました。 そうですね、ここは博物館ではなくお寺のお堂ですもんね。
須弥壇は、東博で観た時と風神・雷神像の位置が変わっていて、本尊・脇侍からやや下がった所に安置されています。 東博の時も壁画は再現されていましたが、やはり仏像はお堂の中で観るのが一番いいですね。
障壁画は、僧侶の方の説明の後に各自で拝見するようになっています。 特に須弥壇裏の六道・六観音図が印象的でした。 一般的に地獄道は千手観音の担当ですが、こちらのお堂はご本尊が千手観音なので、地獄道は不空羂索観音(だったかな?)が描かれています。
お値段はちょっとお高めですが、お堂・仏像・障壁画と揃っているので、一度は観ておいても損はないと思います。