聖徳太子 日出づる処の天子 展
今年は聖徳太子の1400年遠忌(亡くなってから数え年で1400年)にあたり、奈良と東京の国立博物館でも「聖徳太子と法隆寺」展が開かれました。 こちらの展覧会は、大坂の中心地にあって聖徳太子建立の7大寺の1つ「四天王寺」と、その近くにある大阪市立美術館、東京のサントリー美術館の共催で、聖徳太子の生涯や事績と聖徳太子信仰について振り返る展示のようです。 四天王寺には、太子の佩刀2口をはじめ6件の国宝があり、大阪と東京で展示替えをしながら全て公開してくれそうです。
タイトルの「日出づる処の天子」に反応した方も多いのでは?と思いますが、山岸凉子の名作漫画「日出処の天子」の原画なども公開されます。 歴史をベースにしたフィクションなんですが、聖徳太子は超能力を持つ超絶美少年で、蘇我蝦夷とのBLシーンなんかもあったりと、ちょっと眉を顰める方もいるかもしれませんが、日本のマンガ史上でも指折りの名作なので、未読の方はぜひこの機会に読んでみて下さい。
この展覧会で観られる国宝
丙子椒林剣[四天王寺/大阪]
四天王寺に伝わる、2本の聖徳太子の剣のうちの1本です。 日本の刀剣に反りがつくのは平安時代で、これは刃がまっすぐな古い形式で、刃に「丙子椒林」と金象嵌名があるので、この名前で呼ばれています。
金銅威奈大村骨蔵器[四天王寺/大阪]
銅で形を作った上に金メッキをする「金銅」製で、飛鳥時代の役人だった威奈大村という人物の骨蔵器(骨壺)です。 ボールのような球体で、表面には威奈大村のことが391文字で彫られています。
扇面法華経冊子[四天王寺/大阪]
9/4~9/26「観普賢経(頁替)」、9/28~10/10「巻第6」、10/12~12/24「無量義経」
平安時代末に作られた装飾経で、やまと絵が描かれた料紙を扇形の冊子にし、放射状に経文が書かれています。 四天王寺には5帖が伝わりますが、その内の3帖が展示替えで1冊ずつ公開されます。
懸守[四天王寺/大阪]
前期:9/4~9/26「松喰鶴」、後期:9/28~10/24「桜折枝」
平安時代中期以降、女性が寺社詣などで外出する時に、中に護符などを入れたお守りを、首から下げました。 四天王寺には、平安時代に作られた細工が見事な懸守が7点あり、今回は前後期で1点ずつが公開されます。
醍醐寺文書聖教[醍醐寺/京都]
後期(9/28~10/24)のみ
醍醐寺文書聖教は、醍醐寺に伝わる7万点近い文書類で、今回後期のみ出展される「三国祖師影」は、三国(インド・中国・日本)の高僧達の肖像画です。 仏教の教えを伝えた人々が書かれたもので、醍醐寺や真言宗の僧が多いですが、聖徳太子も入っているんでしょうか。
一遍上人絵伝(一遍聖絵)[清浄光寺(遊行寺)/神奈川]
10/12~10/24のみ
時宗の開祖、一遍上人の生涯を描いた全12巻の絵巻から、今回は第2巻が2週間だけ公開されます。 全国を巡って布教した様子が描かれているので、各地の名所や景色が美しいのでも有名な絵巻物です。
四天王寺縁起[四天王寺/大阪]
前期:9/4~9/26「根本本」、後期:9/28~10/24「後醍醐天皇宸翰本」
四天王寺の事がいろいろ書かれた四天王寺縁起は、根本本と後醍醐天皇宸翰本があります。 紺本本は、聖徳太子の直筆で自ら手印を捺したという伝説がありますが、実際は平安時代頃に作られたようです。 後醍醐天皇宸翰本は、後醍醐天皇が根本本を書写して、自身の手印を捺したものです。
展覧会 概要
期間:2021/9/4~10/24
休館:月曜日(9/20は開館)
時間:9:30~17:00(入館は30分前まで)
料金:一般¥1,800、高大生¥1,200、中学生以下無料