東洋文庫ミュージアムのこと
年に3回ほどの企画展を開催される東洋文庫は、三菱財閥の岩崎久彌氏が創設した東洋に関する研究の図書館で、国宝5点を含む100万冊以上の蔵書を誇る図書館です。
図書館には、貴重な図書を一般に公開してくれる「東洋文庫ミュージアム」が併設されていて、年に3度の企画展では毎回1点の国宝を公開することが多いです。 入場料は一般¥900ですが、ぐるっとパスで入場ができ、すぐ近所には2020年からぐるっとパスの対象になった「六義園」もあるので、休日のちょっと外出にちょうど良いですよ。
岩崎文庫の名品―東洋の叡智と美 展
東洋文庫は、岩崎久彌氏がG. E. モリソン氏の蔵書を購入し、そこに自身の蒐集した古書コレクション「岩崎文庫」の約3万8千点を加えて、発展していきます。 今回の展覧会は、三菱創業150周年を記念して、旧岩崎文庫の名品が紹介されるようです。
中国の古典籍やアラビアの書物など、普段は文字がズラリと並ぶ東洋文庫ミュージアムですが、今回はチラシも浮世絵で、サブタイトルも「東洋の叡智と美」となっていて、ビジュアルが楽しい展示もたくさんあります。 絵草紙や奈良絵本など比較的富裕な層に楽しまれたっであろう書写本から、江戸時代の読本や浮世絵など庶民にも手が出たであろう刷り物まで、愛嬌のある挿絵にほっこりできます。
この展覧会で観られる国宝
いつも1点の国宝が公開される東洋文庫ミュージアムですが、今回は前後期で1点ずつと展示替えがあるようです。
史記(夏本紀)高山寺本
前期(10/7~11/23)には、平安時代に書写された古代中国の歴史書「史記」から、中国初の夏王朝を書いた「夏本紀」が公開されます。 元は鳥獣戯画で有名な「高山寺」の旧蔵品だったので「高山寺本」と呼ばれています。
古文尚書
後期(11/25~2021/1/17)は古文尚書で、別名「書経」とも呼ばれる四書五経の五経の1つで、元号の昭和や平成は尚書から採用されたんだそうです。 こちらの尚書は、7~8世紀の唐(中国)で書写された、日本最古の尚書です。
展覧会 概要
期間:2020/10/7~2021/1/17
休館:毎火曜日、12/29~1/3
時間:10:00~17:00(入館は30分前まで)
料金:一般¥900、65歳以上¥800、大学生¥700、中高生¥600、小学生¥290
東洋文庫ミュージアム 公式サイト