漢字展-4000年の旅
今年1~2月に東京国立博物館で開催された「顔真卿展」のような、漢字の成立から発展を中心にした展示です。 顔真卿展は漢字の成立はオマケで、書体の移り変わりがメインでしたが、こちらは文字の成立や伝達が中心になっています。
この企画展で観られる国宝
史記(夏本紀・秦本紀)高山寺本[東洋文庫/東京]
東洋文庫ミュージアムは、毎回1点国宝を展示して下さいます。 いつもは2F最初の展示室に入ってすぐの場所に展示してありますが、今回は企画展の中で展示されています。
その他の出展品
重要文化財「論語集解」
「科挙の答案」
「甲骨卜辞片」
「ナポレオン辞書」
「解体新書」
「東方見聞録」
「ハンムラビ法典」
漢字は象形文字から発展していますが、動物の骨に刻んだ文字はごく初期のもので、今から三千年以上前のもの。 中国の漢字字典「説文解字」や「ナポレオン辞書」の漢字について書かれた部分もあります。 漢字から発展した別の文字の展示や万葉集など日本の書物、現代の字典まで、品数は多くないですが、それぞれ1~2点ずつでちょうど飽きずに観られるくらいです。 東洋文庫ミュージアムはキャプションや展示資料が充実しているので、展示品が読めなくても分かりやすいですね。
同時開催 オリエントホール「名言は言語の壁を超える」
1Fホールでの展示は、有名な物語が様々な言語に翻訳されたものが紹介されています。 日本の古典では竹取物語や源氏物語、ドナルド・キーン氏の翻訳デビュー作で歌舞伎でもお馴染みの「国姓爺合戦」なんかもあります。 星の王子様が別の2言語で並べてあったり、挿し絵も色々あって楽しいです。
同時開催 名品室「記録された記憶」
いつも国宝が展示してあるスペースでは「記録された記憶-東洋文庫の書物からひもとく世界の歴史」として、旅行記などが展示されています。 「支倉常長使節記」や「東インド航海記」の他、「浦島太郎物語」の絵巻も展示されています。 こちらは、定番になっているストーリーとちょっと違って、衝撃の結末と意外な縁起物の由来が。 展示は部分的ですが、充実の資料でストーリーがわかるようにしてくれています。
展覧会概要
住所:東京都文京区本駒込2-28-21
時間:10:00〜19:00(受付は18:30まで)
料金:大人¥900、65歳以上¥800、大学生¥700、中高生¥600、小学生¥290
割引:六義園とセット券あり、ぐるっとパスで入場可能
休館:毎火曜日、年末年始、展示替え期間
施設:ショップ、カフェレストラン
交通:JR・南北線「駒込駅」徒歩約8分、三田線「千石駅」徒歩約7分
サイト:http://www.toyo-bunko.or.jp/museum/