九体阿弥陀のこと
平安時代後期から、阿弥陀を念ずると極楽浄土へ迎えられるという浄土信仰が流行した。 その人の行いによって上品上生~下品下生まで9ランクに分けられ、“お迎え”である来迎も九品によって内容が異なる。 九体阿弥陀は九品を象徴する9体の阿弥陀如来を並べてまつったもの。
国宝『浄瑠璃寺 本堂(九体寺 本堂)』
平安後期~鎌倉時代に、九体阿弥陀と専用の堂宇である「九体阿弥陀堂」を作るのが流行し、藤原道長をはじめ有力貴族によって多く建てられた。 記録に残るだけで30以上になるが、現存するのはこの浄瑠璃寺の本堂のみ。
平安末期に建てられた堂が、何度かの修復を経て現在まで残っている。 9体の阿弥陀仏を横に並べて安置しているので、阿弥陀堂も横長に作られており、それぞれの阿弥陀仏の正面に扉が設置され障子になっている。 阿弥陀仏のうち中央の1体のみ大型で、その部分は扉も大きい。
浄瑠璃寺で観られる文化財
国宝『三重塔』
国宝『阿弥陀如来坐像』
国宝『四天王立像』※4体中2体は寄託中
重文「地蔵菩薩立像」
重文「不動明王像」「二童子像 」
重文「石灯籠2基」本堂前・薬師堂前
※以下は公開日が限られる
重文「吉祥天立像」※秘仏だが春秋や正月に開帳
重文「薬師如来坐像」※三重塔安置、毎月8日に開帳
重文「三重塔初重壁画」※三重塔内、毎月8日に開帳
この国宝を観るには
料金:本堂¥400、境内は自由
時間:9:00~17:00、12~2月は16時まで
交通:近鉄奈良駅から「浄瑠璃寺」行バスで約40分(1時間に1本、1日6本程度)※2020年秋頃から4・5・11月のみ運行
JR「加茂駅」からコミュニティバス「当尾線」で約20分( 1時間に1本、1日8本程度 )
※近鉄奈良駅からの奈良交通バスは片道¥570だが、¥500の一日券の範囲内なのでバスを使う時は一日券が圧倒的にお得。
文化財指定データ
【台帳・管理ID】102-2030
出典:国指定文化財等データベース一部抜
【指定番号】00051
【種別】近世以前/寺院
【指定名称】浄瑠璃寺本堂(九体寺本堂)
【ふりがな】じょうるりじほんどう(くたいじほんどう)
【員数】1棟
【時代・年】平安後期 保元2年頃(1157年頃)
【構造・形式】桁行十一間、梁間四間、一重、寄棟造、向拝一間、本瓦葺
【所在地】京都府木津川市加茂町西小
【国宝指定日】1952.03.29
ついでにグルメ
バス停から寺門までの間に、土産物屋や茶店など何軒かあります。 バスの本数が限られるので、時間を確認して調節に使いましょう。
バス停すぐの土産物店にて、手作りの草大福とわらびもち
途中の「あ志び乃店」は山菜やとろろ等、山家料理が食べられます。 蕎麦から甘味まであるので、食事にも休憩にも使いやすいお店です。
鑑賞ログ
2019年5月
近鉄奈良駅から急行バスで40分ほど。 住所は京都府ですが奈良からの方がアクセスがいいようです。 バス停からはすぐなので、それほど大変ではありませんでした。 九体のうち2体は修復中で留守でしたが、美仏で定評のある吉祥天様が観られてよかったです。