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国宝-建築|圓成寺(円成寺)春日堂・白山堂[奈良]

国宝DB-建築

圓成寺(円成寺)のこと

奈良市街から東に10km弱、柳生の手前に位置し、忍辱山(にんにくせん)圓成寺(円成寺=えんじょうじ)という真言宗御室派の寺院。寺伝によると、聖武上皇と孝謙天皇による勅願寺で、鑑真の弟子で唐から来日した「虚滝」が開山となる。

平安~鎌倉時代に栄え多くの堂宇や仏像が整うが、応仁の乱で一時衰退する。 その後の復興は早く、江戸時代には幕府の庇護を受ける大寺院だったが、廃仏毀釈でかなり小規模になる。 そこからいくつかの堂宇を復興し、現在に至る。

本尊は、平安時代に作られた定朝様の阿弥陀如来で、安置される本堂内陣の柱には、菩薩の来迎の様子が描かれている。 運慶のデビュー作として有名な国宝『大日如来坐像』は、多宝塔(現在のものは再建)に安置されていたが、現在は模作の大日如来に替え、国宝仏は鉄筋コンクリート製の「相應殿」に安置されている。

円成寺本堂から春日堂・白山堂を望む

国宝『春日堂』『白山堂』

本堂の東(向かって右隣)のやや高い位置に、同型の社殿が並び建ち、向かって左が春日堂、左が白山堂。 安貞2年(1228年)に春日大社の式年造替があった際に、以前の社殿を円成寺に移築し、春日大明神と白山大権現をまつった。 永正15年(1518年)~慶応3年(1867年)までの修理の棟札も残っている。

国宝『春日大社』に代表される「春日造り」は、切妻屋根の切妻部分が手前に向いており、反りの付いた屋根と手前に伸びた向拝が一体となっている。 この堂は、現存する最古の春日造建築である。

この国宝を観るには

円成寺の本堂「阿弥陀堂」の隣に建っており、拝観時間内ならいつでも参拝可能。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】102-2511
【指定番号】00195
【種別】近世以前/神社
【指定名称】圓成寺
【ふりがな】えんじょうじ
【棟名】春日堂
【員数】かすがどう
【構造・形式】一間社春日造、檜皮葺

【台帳・管理ID】102-2512
【指定番号】00195
【種別】近世以前/神社
【指定名称】圓成寺
【ふりがな】えんじょうじ
【棟名】白山堂
【員数】はくさんどう
【構造・形式】一間社春日造、檜皮葺

【種別】近世以前/神社
【指定名称】圓成寺
【ふりがな】えんじょうじ
【時代・年】安貞(1227~1228年)
【附指定】棟札6枚
【所在地】奈良県奈良市忍辱山町
【国宝指定日】1953.03.31

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

ついでにグルメ

円成寺の門をくぐると、池を中心にした浄土庭園が広がり、堂宇はそこから階段をあがった高い位置に集中しています。 池のほとりには、食事処「里」があり、庭と食事は入山料が要らないので、ドライブやゴルフのお客さんも利用しています。 バスの本数が少ないので、帰りのバスを待つ間にちょうどいいです。

地元のお母さんたちが何人かで切り盛りされており、コーヒーやぜんざいなど喫茶メニューから、麺や丼などしっかりした食事まで、便利に使えそうです。 今回は、名物の「里定食」¥1,500で、炊込みご飯・にゅうめん・天ぷらの他、山里らしいおばんざいもたくさんつきます。

夏のメニューはこんな感じで、夏野菜の天ぷらが美味しいです。 煮物はもちろんですが、お漬物も手作りでしょうか。 この定食、秋になると同じ料金で松茸づくしになるらしいので、次回は秋に来たいと思います。

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