国宝『孔雀明王像』
密教の修法「孔雀経法」の本尊にされたと思われる孔雀明王画像で、中国・宗時代の作品。 国宝の指定は南宋時代(12~13世紀)とされているが、所有する仁和寺の解説では北宋時代(10~12世紀)となっている。
日本では、東京国立博物館像の国宝『孔雀明王像』のように一面四臂(1つの顔と4本の手)で表されることが多いが、この作品は三面六臂(3つの顔と6本の手)である。 同時期の日本の作例より鋭い表情で、緻密で写実的に描かれている。
孔雀経法とは
孔雀はコブラなどの毒蛇を食べることから除難の功があるとされ、真言密教では孔雀明王像(主に画像)を本尊に使う「孔雀経法」が重視されるようになる。
この国宝を観るには
京都国立博物館に寄託されており、あまり公開されないが、春秋の霊宝館で短期間だけ公開されることや、国立博物館などでの展覧会に出展されることもある。
公開履歴
2025/9/20~11/16 京都国立博物館「宋元仏画-蒼海を越えたほとけたち」※展示期間未確認
2023/11/21~12/3 根津美術館「北宋書画精華」
2020/7/21~8/30 仁和寺 霊宝館「祈り-法親王が祈った 国宝 孔雀明王」※期間内で展示替えあり
2019/8/14~9/16 京都国立博物館「京博寄託の名宝展」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-18
出典:国指定文化財等データベース 一部抜粋
【指定番号】00016-00
【種別】絵画
【指定名称】絹本著色孔雀明王像
【ふりがな】けんぽんちゃくしょくくじゃくみょうおうぞう
【員数】1幅
【国】中国
【時代・年】南宋時代
【所有者】仁和寺
【国宝指定日】1951.06.09