国宝『納涼図屏風』
鄙びた家の夕顔棚の下に一家3人がくつろぎ、左上に柔らかく描かれた満月を見ている。 主題は、江戸時代の歌人「木下長嘯子(きのしたちょうしょうし)」の和歌「夕顔の さける軒端の 下涼み 男はててれ 女はふたの物」で、“ててれ”と“ふたの物”は男女それぞれの下着のこと。
2曲の屏風で、画面は縦149cm×横165cmと正方形に近く、大部分は墨画で部分的に淡彩が施されている。 男女の体の線や、衣の質感の違い、軒の竹や夕顔のなど、様々な筆致で描き分けられている。
久隅守景のこと
久隅守景(くすみもりかげ)は江戸初期の画家で、狩野探幽の高弟で探幽の四天王と言われるほどだったが、後に破門されたと伝わる。 狩野派とは異なる、庶民の姿や田園風景に独自の作風を見出した。 一時は加賀前田家に仕え、北陸地方に作品が多く残るほか、陶器の絵付けなども手掛けている。 生没年は不明。
この国宝を観るには
東京国立博物館で数年に1度は公開される。
公開履歴
2023/9/24~10/15 徳川美術館「人間讃歌-江戸の風俗画-」
2022/10/18~11/13 東京国立博物館 150周年「国宝 東京国立博物館のすべて」
2020/7/21~8/10 東京国立博物館 7室
2019/5/3~6/2 東京国立博物館「美を紡ぐ 日本美術の名品 」
2014/7/8~8/3 東京国立博物館 国宝室
2012/7/24~9/2 東京国立博物館 7室
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-70
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00067-00
【種別】絵画
【指定名称】紙本淡彩納涼図〈久隅守景筆/二曲屏風〉
【員数】1隻
【時代・年】江戸時代
【作者】久隅守景
【所在地】東京国立博物館
【国宝指定日】1952.11.22
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