禅機図断簡とは
禅機図断簡は、元は1巻だったと思われるが断簡され、東京都の博物館が1巻ずつ所有している。 作者の「因陀羅」は中国の僧だが、現在中国には作品が残っておらず、因陀羅のことも詳細がわからない。
因陀羅の画は「味わいがある」「独特な」などと表現されることも多く、いわゆる「上手い」絵ではないが、人物の飄々とした表情やかすれたような筆使いなど独特な画である。
禅画には「賛」という文章が書かれるが(自画自賛の語源)5幅とも同じく中国の禅僧である「楚石梵琦」の賛が入っている。
国宝『禅機図断簡(布袋蔣摩訶問答図)』
左端に大木が見切れており、その下に布袋が大きい袋にもたれるように座っている。 親孝行の蔣摩訶(商莫迦)と問答しているところを描いたもの
国宝に指定された『禅機図断簡』
禅機図断簡(布袋蔣摩訶問答図)因陀羅筆[根津美術館]
禅機図断簡(智常禅師図)因陀羅筆[静嘉堂文庫]
禅機図断簡(寒山拾得図)因陀羅筆[東京国立博物館] ※画像あり
禅機図断簡(丹霞焼仏図)因陀羅筆[石橋財団]
禅機図断簡(智常・李渤図)因陀羅筆[畠山記念館]
この国宝を観るには
所蔵館の根津美術館では、年に7つほどの企画展を開催し、数年に1度程度は本品が出展される。
公開履歴
2024/7/27~8/25 根津美術館「美麗なるほとけ」
2022/4/16~5/15 根津美術館「燕子花図屏風の茶会」
2020/11/14~12/20 根津美術館「根津美術館の国宝・重要文化財」
2018/9/1~10/8 根津美術館「禅僧の交流」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-87
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00084-0
【種別】絵画
【指定名称】紙本墨画禅機図断簡〈因陀羅筆/(布袋図)〉
【員数】1幅
【国】中国
【時代・年】元時代
【作者】画:因陀羅、賛:楚石凡琦
【所有者】根津美術館
【国宝指定日】1953.11.14