国宝『伝船中湧現観音像』
平安時代末期頃の仏画で、空海が乗った遣唐使船に現れて、嵐を鎮めたとされる観音菩薩を描いたもの。 体全体が金色で、更に截金で衣の模様などを施し、背景には雲が描かれて空中に浮揚している姿を表している。 当時の航海は危険が多く遭難した船も多数あり、入唐僧にはこのような湧現譚がいくつかあり、三井寺の国宝『新羅明神坐像』は智証大師円珍の航海を守ったという。
この国宝を観るには
高野山内の文化財を管理・公開する「霊宝館」で公開されることがあるが、機会はそれほど多くない。まれに博物館などへも展覧会に出展されることもある。
公開履歴
2024/4/13~5/12 奈良国立博物館「空海 KUKAI」
2021/8/3~10/3 高野山霊宝館「高野山の名宝」
2019/4/20~6/2 高野山霊宝館「高野山と不思議な話」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-98
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00095-00
【種別】絵画
【指定名称】絹本著色伝船中湧現観音像
【ふりがな】けんぽんちゃくしょくでんせんちゅうゆうげんかんのんぞう
【員数】1幅
【国】日本
【時代・年】平安時代
【所有者】竜光院
【国宝指定日】1953.11.14