国宝『阿弥陀如来坐像』
ヒノキの寄木造りで、平安時代中~後期に作られた定朝様の阿弥陀坐像。 九体阿弥陀仏の9躯全てが現存する最古の作例で、同時期に建てられた金堂も、国宝に指定されている。 中尊は1躯だけ大きい丈六で来迎印を結び、他の8躯は半丈六で阿弥陀定印を結んでいる。 九体阿弥陀は、9品それぞれの印相を結ぶ作例もあるが、浄瑠璃寺では中尊とそれ以外で2種の印が結ばれる。
浄瑠璃寺のこと
京都と奈良の県境「当尾(とうの)」と呼ばれるエリアで奈良にほど近く、聖武天皇の勅命で行基が開いたと伝わる、真言律宗の寺院。 本堂には平安時代に流行した九体阿弥陀をまつるので「九体寺」の名で呼ばれる。 九体阿弥陀と阿弥陀堂が共に現存するのは、日本で唯一か所のみ。
九体阿弥陀とは
平安時代後期から、阿弥陀を念ずると極楽浄土へ迎えられるという「浄土信仰」が流行した。 その人の行いによって上品上生~下品下生まで9ランクに分けられ、“お迎え”の阿弥陀来迎も九品によって内容が異なる。 九体阿弥陀は九品を象徴する9体の阿弥陀如来を並べてまつったもの。
この国宝を観るには
拝観時間内ならいつでも観ることができる。 2018年から九体阿弥陀坐像は5年計画の修復に入っており、交替で2躯ずつ不在となる。
公共交通を使用する場合は、近鉄奈良駅から奈良交通バス「浄瑠璃寺」行きに乗って終点まで25分ほど。(2020年秋頃から、4・5・11月のみの運行に減便) 片道¥580なので、1日フリーパス券「奈良公園・西の京 世界遺産 1-Day Pass」¥500を買うとお得。 加茂駅からもバスあり。
寺外での公開
2023/7/8~9/3奈良国立博物館「聖地 南山城」
浄瑠璃寺の国宝
九体寺 本堂
浄瑠璃寺 三重塔
四天王立像
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-213
出典:国指定文化財等データベース一部抜
【指定番号】00052-00
【種別】彫刻
【指定名称】木造阿弥陀如来坐像(本堂安置)
【ふりがな】もくぞうあみだにょらいざぞう
【員数】9躯
【時代・年】平安時代
【所在地】浄瑠璃寺
【国宝指定日】1952.11.22
ついでにグルメ
バス乗り場や駐車場から浄瑠璃寺の門前まで、徒歩数分ほどの散歩道になっていて、いくつかの飲食店や土産物屋が並んでいます。 その中でも特に雰囲気のある「あ志びの」さんへ。 石畳の先にお店があります。
とろろや筍など、山の幸が並んでいます。 定食が¥1,000~¥1,500ほどで、軽食の単品メニューや甘味だけでも大丈夫なので、とても使いやすいお店です。
この時は、それほどお腹が空いていなかったので、筍の煮つけと紫蘇ジュース、ひと口わらび餅も頂きました。 バスの時間を伝えておくと、それに合わせて急いでくださいました。 山あいらしいメニューは、どれも美味しかったです。