国宝『太刀 銘 安綱(名物 童子切安綱)』
「天下五剣」のうちの1本で、源頼光がこの刀で酒呑童子を切ったという伝説から「童子切」の号がある。 足利将軍家から秀吉、家康、秀忠から越前松平家に伝わり、吉宗の時代にまとめられた享保名物帳には「名物 童子切」として載っている。
作者の「安綱」は伯耆国(現在の鳥取県)で平安時代の中頃に活躍した刀工。 「安綱」の銘が入った刀はいくつか残っているが、「安綱」を何人かが継承して名乗っていると考えられる。
酒呑童子伝説
酒呑童子の伝説は、大江山に住む鬼が悪さをするので源頼光が帝に命じられ家来の頼光四天王(渡辺綱・坂田金時・碓井貞光・卜部季武)を連れて鬼退治をするというもの。 途中で石清水八幡・住吉明神・熊野権現の化身である3人の老人からもらった毒酒を飲ませ勝ちを得るだとか、油断させる為に一緒に人肉血を飲み食いしただとか、様々なバリエーションがある。
この国宝を観るには
所蔵館の東京国立博物館で、数年に1度程度は公開される。
公開履歴
2024/3/5~5/26 東京国立博物館13室
2022/10/18~12/18 東京国立博物館 150周年「国宝 東京国立博物館のすべて」
2021/3/2~5/23 東京国立博物館13室
2019/12/28~2020/3/1 春日大社 国宝殿「最古の日本刀の世界」
2018/11/27~2019/2/17 東京国立博物館13室
2016/1/2~3/13 東京国立博物館13室
2013/9/10~12/1 東京国立博物館13室
2011/6/7~8/28 東京国立博物館13室
2009/12/8~2010/3/14 東京国立博物館13室
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-301
出典:国指定文化財等データベース一部抜
【指定番号】00015-00
【指定】 工芸品
【指定名称】太刀〈銘安綱(名物童子切安綱)/〉
【ふりがな】たち〈めいやすつな(めいぶつどうじぎりやすつな)〉
【員数】1口
【作者】安綱
【国・時代】日本・平安時代
【寸法・重量】刃長80、反り2.7、元幅2.9、先幅1.9、鋒長3.1(cm)
【品質・形状】鎬造、庵棟、小鋒つまり腰反り踏張りあり。側肉豊かにつき、鍛えは小板目地沸厚く、沸映り乱れ立ち、地景入る。刃文は小乱れ、足入り、金筋かかり、区上で焼落とす。帽子は乱れて小丸ごころとなり、強く掃きかけて替える。茎生ぶ、先栗尻、鑢目、目釘孔一、目釘孔上棟寄りに銘を切る。
【所在地】東京国立博物館
【重文指定日】1933.01.23
【国宝指定日】1951.06.09
【説明】本太刀は古来「童子切」と号して名高く、細見で反り高く、小鋒の優美な姿をしており、地肌や刃文に特徴が見られる。「享保名物帳」に記載されるところによると、豊臣秀吉の所有で徳川秀忠より越前松平家に伝来したと伝えられ、附の糸巻太刀拵は総金具赤銅魚々子地に桐紋を色絵にし、金平目時の鞘と柄に茶糸巻を施したものである。また、梨子地に葵紋を蒔絵した豪華な太刀箱があり、江戸初期の製作とみられる
鑑賞ログ
2019年12月
東博の展示替えがあったので見学に行きました。あいかわらず刀はまだ見どころがつかめないが、「童子切」が頼光が大江山の酒呑童子を切った伝説の~という部分にはしっかり食いつきます。 歌舞伎にもよく出てくる源頼光(歌舞伎だと「らいこう」と読みます)は土蜘蛛や戸隠山の鬼女を退治した伝説の人物。 家来の「頼光四天王」には坂田金時=金太郎さんもいます。 本当に頼光が使ったかどうかわかりませんが、そういった伝説的な刀を観られるのはワクワクしますね。
今回の展示期間は、2018/11/20~2019/2/17です。