国宝-工芸|赤絲威鎧 大袖付[大山祇神社/愛媛]

国宝データ-工芸

国宝『赤絲威鎧』

平安時代末期に作られたと考えられる鎧で、源義経が奉納したものだと伝わる。 この時代の鎧は、騎馬武者が着けた「大鎧」と、動きやすく歩兵などが用いた「胴丸」が中心だが、この鎧は大鎧と胴丸の特徴を併せ持っている。 鎧の胴体部分の右にある合わせ目を覆うように付ける「脇楯(わいだて)」は、大鎧にみられるもの。 大鎧の草摺(腰部分)は4枚にわかれるが、この鎧は胴丸のように8枚に分かれている。 兜はないが、肩の吊り紐の前部分にかぶせる「栴檀板」と「鳩尾板」も残る貴重な遺品である。

大山祇神社のこと

瀬戸内海に浮かぶ「大三島」にあり、社伝によると仁徳天皇の次代に創建されたといい、伊予国の一の宮とされた。 全国の山祇神社や三島神社の総本社で、海や戦の神とされる大山積神をまつるため武門の信仰が厚く、多数の奉納品が伝わっている。

大山祇神社[愛媛県大三島]

この国宝を観るには

本殿の隣に「宝物館」があり、原則として開館時間内はいつでも観ることができる。

大山祇神社 宝物館

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-350
【指定番号】00063-00
【種別】工芸品
【指定名称】赤絲威鎧〈大袖付/〉
【ふりがな】あかいとおどしよろい〈おおそでつき〉
【員数】1領
【時代・年】平安時代
【寸法・重量】高31.0cm
【品質・形状】黒漆塗鉄革平小札を一枚交じりに赤糸をもって威し、耳糸、畦目は啄木、菱縫は紅猿鞣で施す。胴は立挙前二段、後押付、逆板、立挙の三段、衝胴五段、草摺七間五段に仕立て
【所有者】大山祇神社
【国宝指定日】1952.03.29
【説明】本鎧は兜を欠くが、大袖、栴檀・鳩尾板を具え、障子板および逆板、弦走があり、鎧の制を具備している。一方で、胴は一続きで、右脇に前後の引き合わせがあり、草摺が七間に分かれているのは胴丸の形状であり、鎧と胴丸の特色を兼備した特殊な形状である。
この種の鎧は、平治合戦絵巻や後三年合戦絵巻などに見られるものであるが、遺品としては本一領のみである。鏡地張りの金具廻りや精巧な小札板、あるいは絵画的文様の染韋などに、優美で華麗な面影があり、稀有の遺品である。

出典:国指定文化財等データベース一部抜
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