立花家と柳川藩のこと
古くは足利尊氏に従った大友氏の一族で、戦国時代に断絶するが、大友宗麟が重臣の戸次道雪(べっきどうせつ)に立花を継がせる。 道雪の養子になった立花宗茂は、戦功によって豊臣秀吉の直臣となり柳川領を与えられる。 関ヶ原では西軍についたため所領を失うが、大阪の陣では徳川方として活躍し、旧領の柳川藩主に封され明治まで立花家が治めた。
国宝『短刀 銘 吉光』
作者の藤四郎吉光は、鎌倉中期頃の山城国(現在の京都)粟田口派の刀工で、短刀の名手として秀吉から「天下の三名工」と評された。 短刀3口と剣1口が国宝に指定されている。
この短刀は、立花家の先祖が足利尊氏から拝領したと伝わるもので、立花家の什宝として現在まで同家が所蔵する。
身長23.3cmのやや内に反った短刀で、鎬のない平造り、棟は角度をつけて尖らせた庵棟、刃文は直刃に小沸がつく。 2つの目釘孔の下に「吉光」の銘が切られている。
この国宝を観るには
所蔵する立花家資料館では、毎年のように刀剣の特別展が開かれ、そこで数年に1度は公開される。 それほど多くないが、他館への貸し出しもある。
館外での公開履歴
2022/9/22~11/6 鹿児島県歴史・美術センター黎明館「茶の湯と薩摩」
2021/1/2~2/14 北九州市立いのちのたび博物館「名刀 博多藤史郎 の輝き」
吉光作の国宝刀剣
剣 銘 吉光[白山比咩神社/石川]
短刀 銘 吉光(名物 後藤藤四郎)[徳川美術館/愛知]
短刀 銘 吉光(名物 厚藤四郎)[東京国立博物館]
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-432
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00137-00
【指定名称】短刀〈銘吉光/〉附 腰刀拵
【ふりがな】たんとう〈めいよしみつ〉
【員数】1口
【時代・年】鎌倉時代
【寸法・重量】身長23.3cm、内反、元幅2.6cm、茎長9.5cm
【品質・形状】平造り、庵棟、身幅広く内反り。鍛小板目肌約り、地沸細かにつく。刃文中直小沸よくつき、表焼だしに連れたる互の目交じり、小足入る。帽子小丸、沸強く掃きかけごころあり。
【作者】吉光
【画賛・銘等】吉光
【附指定】腰刀拵
【所在地】立花家史料館
【所有者】個人蔵
【国宝指定日】1953.11.14
【説明】粟田口藤四郎吉光の作で、身幅広く寸の詰まった姿は包丁藤四郎に近く、特殊なものである。地刃最も優れ、かつ健全である。