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国宝-工芸|太刀 銘 光世作(名物 大典太)[前田育徳会]

国宝DB-刀剣

国宝『太刀 銘 光世作(名物大典太)』

平安時代に筑後(現在の福岡県)に在した刀工「光世」は「典太」と称し、三池に住んだので「三池典太(みいけでんた)」とも呼ばれる。 加賀前田家には典太の刀剣が2本伝わり、その中で大きいものの方を「大典太」という。 吉宗の命で作られた享保名物帳にも「名物」として記載され、天下五剣の1つにも数えられる。

この時代の刀としては短めで幅も広く、どっしりとした印象を受ける。 元は重量を軽くするため、後には装飾の要素が強くなる「樋(ひ)」という溝が、茎(手に持つ部分)近くに彫られている。 「光世作」の銘が入っている。

尊氏以来、足利将軍家の家宝として代々将軍家に伝わったが、15代で室町幕府最後の将軍となった足利義昭から豊臣秀吉に渡る。 秀吉から前田利家に贈られ、現在に至るまで前田家の所有(現在の所有者名は前田育徳会)となっている。

この国宝を観るには

所有者の前田育徳会は展示施設を持たず、石川県立美術館を中心に展示される。 まれに他館の特別展へ出展されることもある。

公開履歴

2024/3/26~5/26 石川県立美術館 前田育徳会尊経閣文庫分館
2019/9/7~2019/11/4 福岡市博物館「侍 もののふの美の系譜

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-00501
【指定番号】00205-00
【指定名称】太刀〈銘光世作(名物大典太)/〉
【ふりがな】たち〈めいみつよさく(めいぶつおおでんた)〉
【員数】1口
【作者】光世
【寸法・重量】身長66.0cm、反2.7cm
【品質・形状】鎬造、丸棟、重ね薄く、身幅広く、鋒猪首、腰反高く踏ん張りがある。鍛板目柾がかり肌立ちごろこに白けごころがある。刃文小湾調の細直刃、ほつれかかり金筋入り、物打上二重刃ごころとなり小沸つく。帽子小丸、彫物表裏に幅広く浅い棒樋を巧みに?き流し、表に添樋を?き流す。茎生ぶ、先浅い栗尻、鑢目勝手下がり、目釘孔二。
【画賛・銘等】目釘孔の下中央に太鏨の三字銘「光世作」
【所有者】前田育徳会
【国宝指定日】1957.02.19
【説明】初代三池典太の有銘完存の作はほとんど現存していない。本太刀は、室町時代以来、天下五剣の一つに挙げられ、享保名物牒に所載される。豊臣秀吉から前田家に移り、以来同家において第一の宝刀として伝えられた。

出典:国指定文化財等データベース一部抜
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